落ち葉堆肥で不耕起畝に炭素補給する

 昨年から作っていた落ち葉堆肥を早速畑に使ってみました。今シーズン、ミニトマトを栽培していた畝に使いました、

 今回はその様子をご紹介します。この作業が来年の畑の状態に少なからず良い影響を与えると思います。

畝は炭素が消費された状態になっている

 今年通路には雑草をはやしていましたが、畝にはビニールマルチを張っていたため雑草が生えていませんでした。一年間かけて、通路部分にはそれなりの炭素(=炭水化物、土壌生物のえさ)が供給されました。不耕起栽培ではこの土壌表層への炭素の蓄積が重要なメリットになります。

7月はじめの畑の様子

 不耕起栽培では表層への炭素の蓄積による土壌生物の活性化、生物量の増加が野菜の生育に良い影響を与えていると考えられています。通常の耕起する栽培では、どれだけ雑草を生やそうと、堆肥を撒こうと、かき混ぜられることで表層でも地中でも炭素の割合は均一になってしまいます。不耕起栽培で減農薬や無農薬が達成できるのは、表層の高い炭素率のおかげかもしれません。

 ところがマルチをしていた畝部分には草が生えていないので炭素供給はほぼありません。一応、栽培していたミニトマトの残渣はそのまま残してあるので、根は土壌に還元されます。根は植物が光合成して得た炭水化物なので、外部からの炭素補給になります。

 

 来年以降、マルチもなるべく使わない栽培をしていくつもりなので、とりあえず畝の部分には外部から炭素を供給することにします。その供給源が作成した落ち葉堆肥です。

落ち葉堆肥を施す

 まずは畝を覆っているマルチをはがします。全部ははがさず、片側だけはぎました。

はがす前
片側だけはがす

 次に落ち葉堆肥を畝の上に撒きます。わかりにくいかもしれませんが、少し茶色の土が落ち葉堆肥です。見たところ、落ち葉の形は残っておらず、かなり分解が進んでいます。20mの畝に大体60Lくらい撒きました。堆肥の厚さが2-3cmくらいになっていました。

ほぼ土になっている
満遍なく撒きます

 レーキを使って、土と落ち葉堆肥を軽く混ぜ合わせます。できるだけ土をかき混ぜないように、やさしく作業します。レーキで引っかいていると、ミニトマトの細かい根がたくさん出てきました。きっと地中には細かい根が血管のように張り巡らされているのでしょう。そして、その根が分解されて土壌構造ができていきます。(これはバイオポアやスポンジ構造と呼ばれたりします。不耕起でも排水性を維持できる秘訣です)

レーキで混ぜる

 混ぜ終わったら、残しておいたマルチを再度かけなおします。固定にはこのようなマルチ押さえを使用しました。

 マルチがせっかくあるので最大限活用します。できるだけ土を太陽や霜に当てたくないのと、雨が降って大量の水が土に当たるのを防ぐためです。また、適度に水分が保たれるので、施した堆肥をさらに土壌生物が分解し、土壌構造が発達します。

11月は落ち葉堆肥を仕込む季節

 昨年仕込んだ落ち葉堆肥はほとんど使ってしまいました。11月も半ばに入り、ところどころで落ち葉がたくさん出てきました。また落ち葉を集めて堆肥作りをしたいと思います。

 落ち葉は毎年、大量に地上に落ちてきます。もちろん、落ち葉はもともと付いていた樹のものであり、外(つまり畑)に持ち出しすぎると、その土地の地力を損ない環境を変えてしまうこともあります。ですが、少しそれを分けてもらうくらいであれば大丈夫だと思います。公園や一般家庭の庭木などから出た落ち葉はごみとして処分しなければならない場合も多いです。そういったところからもらってくればwin-winなのではないでしょうか。

 自然の力を少し借りて、コスト、負荷の少ない農業にしたいですね。

オクラも自家採種をしました

 今回はオクラの自家採種をしました。今年栽培したオクラは一般的な角オクラではなく、スーパーでは島オクラとして販売されていることが多い、丸いオクラです。品種は「エメラルド」(タキイ種苗)です。多少大きくなっても、やわらかく甘みがあるおいしいオクラです。

 このエメラルドですが、畑になじんでいないのか、あまり大きく育ちませんでした。生育初期にアブラムシがつき、株が弱ったり、病気になった株も多かったです。自家採種をすると、一世代でもかなり畑に適応して育てやすくなるそうです。来年、そのあたりの育ちやすさなどの変化が楽しみです。

採種の仕方

 オクラの採種をする場合は、実を収穫せずに残しておきます。するとどんどん大きくなり、25cm以上になります。実は硬くなり、とてもじゃありませんが、食べられなそうな見た目になります。

収穫しなかったらこうなる

 そのまま、おいておくと次第に色が褐変していきます。ミイラ化してくるといった表現だとわかりやすいかもしれません。採種果がついている樹は生長が著しく遅くなり、新しい花も咲かなくなります。種に栄養を集中させているんですね。

 指南書には、開花後40日ほどで種が充実するとあります。採種果の柄に開花日を書いたカードを結び付けておくとわかりやすいですね。

 今回はそれを怠ったので、とにかくかぴかぴに乾燥するまで畑においておきました。見た目はまるで枝のようです。雨の後だと湿気が残っていて面倒なので、晴れが何日か続き、しっかり乾燥してから収穫します。手触りもざらざらかさかさです。 

採種果

 採種は4本で、病気もなく、成長がよかったものから採りました。実の縦方向、繊維に沿って爪を入れると、真っ直ぐ裂けます。中には灰色っぽい種がたくさん入っています。中にはきれいな丸でなく、欠けたような種があります。このようなものは不良品としてはじきます。

筋に沿って裂く
不良品の種

 数えてみると約200粒ありました。1本の実につき、50粒の種が取れる計算になります。来年使う分は自家採種でまかなえることになります。

オクラも交雑に注意!(が必要な場合あり)

 オクラは比較的交雑しにくい植物です。トマトやナスと同じく、雌雄同花(雄花と雌花が同じ花に咲く)なので基本的には自家殖性で交雑しにくいです。しかし、近くに別品種があると交雑するので、複数品種を栽培、自家採種する場合は採種果が咲く前に袋がけし、交雑を防ぎます。

 私たちも来年はオクラの品種を増やしたいと思っているので、実際に交雑を防ぐ方法を試してみようと思っています。

種の保管の仕方

 採種した種に限らず、購入した種を一年で使い切らずに保管しておくことがあると思います。適切な保管をしないと種の質が悪くなり、発芽率が著しく低下したり、発芽しなくなったりします。

 種を保管しておく上で気をつけないといけないのは湿度です。種は水分がないと発芽しないので、裏を返せば水分があると発芽する準備を始めてしまいます。すると余計なエネルギーを使ってしまうので、乾燥した場所に保管します。密閉できるビンやジップロックなどに、乾燥剤とともに入れておくと安心です。

ビンに入れて保管する

 保存容器には品種名と採種日を明記しておきます。購入種子でしたら、種袋を切って入れておくと良いです。同じ科の野菜で複数の品種を持っている場合は、混ざるとわけがわからなくなってしまうのでしっかりと判別できるようにしておきます。日にちを残しておくのは、種の寿命を把握しておくためです。

 また、日光が当たる場所は避けた方がいいです。種に光が当たると暑くなってしまい、品質を下げます。生命力の弱い、にんじんやたまねぎなどの種はできるだけ光が当たらないようにします。にんじんは光がないと発芽できない好光性種子です。暗闇に保管するようにします。

 温度変化も避けた方が良いです。これらの条件をすべて満たすのが冷蔵庫です。種を保管しておくときは、密閉して冷蔵庫に入れておきましょう。自家採種をしている農家さんや家庭菜園家の方は専用の冷蔵庫を用意しているそうです。私たちも今年、結構な種類の野菜の種採りをしたので、スペースを圧迫しています(汗)。いずれは専用冷蔵庫を必要になるかもしれません。

信州地大根の収穫。種採りにも挑戦。

この大根のお名前は?

 8月頭に種まきした長野県在来種の信州地大根。どうやら信州地大根といっても、実はいろいろ品種があるようで、松本の切葉地大根や坂城町のねずみ大根などいろいろでした。今回栽培したのは、いまいちどの品種かはわかりませんでした。メーカーに問い合わせておきます。(種採りしてオリジナル品種にしてしまおう)

今回蒔いた大根

発芽してから約90日が経過し、だいぶ育ってきたので収穫してみました。

 地上部は葉っぱが茂り、もさもさになりました。虫の食害は見られるものの、株ごとやられてしまうような大きな被害にはなっていません。この畑は青虫が結構いたのですが、大根にはあまりついていませんでした。多いのはカメムシと、黒い米粒より小さい羽虫でした。

 途中10月頭の段階で、地上にせり出している根茎は割れているものが見られました。もしかしたら、この時点で収穫時を逃していたのかもしれません。

全13本を引っこ抜いて並べる

 夏に蒔いた大根は13株。1本の畝に二条播きして、ずらし栽培しようと思っていたのですが、二条目は最初に播いた株が育ち、日陰になってしまったのであまり成長していません。

 とりあえず、13本を引っこ抜いてみます。見ると、地中に埋まっていた部分のお尻がほとんど割れてしまっています。やはり収穫が遅かったようです。サイズごとに並べたのが次の写真です。

サイズ順に並べる

 一番小さいので15cm、大きいものは大人の前腕以上のサイズがあります。固定種は生育にばらつきがあるのが普通ですがここまでばらけるは思っていませんでした。ほとんどお尻が割れており、きれいにできたのはほんの一部になってしまいました。

もちろん種採りにも挑戦!

 アブラナ科の野菜は大根以外にも育てていましたが、種採りはしていなかったので試しにやってみることにしました。大根なんてどのように種がつくのか見たことありませんよね。一回くらい、花が咲いた大根の姿を拝んでみたいと思いませんか?

 今回栽培した感想としては、ずいぶんサイズに違いが出るな、と思いました。自家採種は自分のほしい性質を持った一群を作って、そこから採種をすることで好みの性質を持った品種に作りあげていくことができます。今年育った大根たちから、サイズの近い、比較的きれいな一群を選び出せば、その種は少しばらつきが少なくなるはずです!

 大根は少数の母本(親となる株)から種採りを繰り返すと、近交弱勢という現象が起こります。これは品種の力を落とすことになるので最低でも20本の親を用意する必要があります。が、今回は数が少ないので6本だけ用意しました。来年以降はもっと増やして、種が弱くならないようにしたいと思います。

比較的サイズが揃っている

 葉っぱを落とし、日が当たりやすいように少し斜めにして植えなおします。根っこが寒さにあたると、腐ってしまうので白い部分が確実に見えない深さに植えます。

葉っぱは落とす
斜めに植える

 これで種採り栽培の準備はおしまいです。翌春になると、新しい葉っぱが出てき始め、花が咲きます。その花に大根の種がつくはずです! 複数の品種の大根を同時に種採りする場合は交雑を防ぐ必要がありますが、一品種なら大丈夫です。たぶん近くの人が種採りをしていることはなかなかないでしょうから。

肝心の味は?

 かなり不恰好な姿に育った信州地大根。その味はどうでしょうか?

 とりあえず生でかじってみます。ピリッとした辛味があり、ぱりぱり食感でした。歯ごたえはすごくいいです。

 次にお味噌汁に入れて、加熱してみました。香りは大根の良い香りで、食感がなんとジャガイモに近い、ホクホクとした感じになりました。これは驚きです。普通の大根のとろけるようなほぐれる食感とは違って、ホクホクしています。加熱用にはあまり向かないのかもしれません。

 生の食感がいいので、糠漬け(去年から始めた2年目の若床)にしてみました。漬けること2日。いい感じに漬かったものを食べてみると、ぱりっぱり! 多少水分が抜けてもぱりぱり感はさすがでした。

 これは漬物向きの大根かも、と思っていたら、種袋に漬物に最適と書いてありました(笑)。そこで沢庵漬けを手作りしてみることに。その製作過程はまたご紹介します。残りは切り干し大根にして保存できるようにしてみます。

2020年ミニトマトの自家採種 採種方法と発芽チェック 

 ついに、今年初めての霜が降りました。よりいっそう冬に近づいた感じがします。 

 10月半ばからゆっくり、ミニトマトのアーチの片付けをしていました。さすがに10度を下回ると、味もかなり落ちて、樹も弱って見えました。ひと夏かけて、じっくり茂らせた葉は翌年以降の養分となります。この生命の循環を大切にしたいです。

 先日ミニトマトの種採りを行いました。本来であれば、樹勢の強い時期(第2-3花房くらい)に行うのが良いのですが、種採りをするか迷っているうちに収穫が進み、残るのは数日前に完熟状態で収穫したもののみになってしまいました。

 というのも、私たちが今年栽培した、ロッソナポリタンという品種はF1(交配)種なのです。F1種から種採りをすると、次世代となるF2では性質が大きくばらけます。つまり、採れた種の遺伝子はみんなちがってみんないい状態になります。
 すると、おいしくなかったり、病気に弱くなったり、実の大きさが変わったりする可能性もあります。このミニトマトは私たちが一番力を入れている品種なので、品質がバラけると困るなと思っていました。

 ですが、せっかくならやってみよう! ということで実際にやってみました。実際のところF2世代の種から育ったトマトがどれほど変化するのか気になったというのもあります。また、種採りをするメリットのひとつ、環境に適応して育てやすくなる、という現象が本当に起こるのか早く確認してみたかったのも大きな理由です。そして、お金もかからないし、とにかくやってみないと始まらないとも思いました。
 来年、性質がバラけたら、おいしい実をつける株、元気に生育している株からまた種採りえをすればいいだけです。

 さらに、私たちが種採りをする際に参考にしている書籍、「種取りのコツのコツ(農文協)」という本に中にF1トマトから選抜、種採りを続け、大玉、中玉、ミニの3品種を固定したという記載がありました。この品種から中玉や調理用の品種がとれるかもしれません。

種採りをするときの注意点

!種採りをする際に注意しておくことがあります!

 それはその品種が種取りを許可されている品種であるかどうかを確認することです。品種は「登録品種」と「未登録品種(農林水産省は一般品種と呼んでいる)」の二つに分けられます。登録品種は「育成権」が認められています。これは音楽や絵画などにおける著作権に同等する権利です。

 そのため登録品種の採種や採取した種の再販は禁じられています。また、自家採種した種(これも違反ですが)から収穫した作物の販売、譲渡も禁じられています。営利目的でない、家庭菜園であれば、自家消費に限り採種が認められています。

 品種登録のない、一般品種は自家採種が認められており、採種した種自体もその種からの収穫物どちらも販売、譲渡可能です。

 そもそも品目によっては品種に関わらず自家採種、わき芽挿しのような「自家増殖」が禁止されている場合があります。

 今回種採りをしようと思っている「ロッソナポリタン」(パイオニアエコサイエンス)は登録品種ではないので採種可能です。こちらのページから検索できるため、自家採種をお考えの方は一度調べてみてください。

 

ミニトマトの種採りの仕方

 ミニトマトの種採りは非常に簡単です。なぜなら食べるために育てた実からすぐに種を採れるからです。赤くなった実は種が成熟しているので採種果を簡単に手に入れられます。

 品種によりますが収穫した実を使えば大丈夫です。さらに常温で1週間ほど追熟させればさらに安心です。少しやわらかくなってきたくらいのほうが簡単に種が採れます。

 用意するのは、手ごろな大きさのビンと、包丁、中身をくりぬくためのスプーンやバターナイフです。ビンの大きさは、採る種の量によって変わります。小さすぎると発酵させているときにあふれて大変なことになるので注意が必要です。

 実を半分に切って、

201009 半分にしたところ
半分に切る

 種を包むゼリーごと掻きだします

201009 掻き出すところ-2
ゼリーごと種を搔き出す

 この状態で常温で3日ほど発酵させます。こうすることでただ洗うよりも、種を包むゼリーを取り除きやすくなります。

 発酵してきたら(けっこう匂います)、水でしっかりと洗います。ここでゼリー質が残るとかびる原因になるのでちゃんと洗います。今回は排水溝のごみネットを使用しました。

 水洗い後は天日干しで2-3日ほど乾燥させます。今回は晴天の予報がなかったので布団乾燥機とビンを組み合わせて、徹底的に風乾させました。

201012 ネットで洗ったところ
乾燥させる

 写真ではわかりにくいですが、自家採種したものは種の表面にうっすらと毛が生えています。今年購入した種はつるっとしていたので、市販品は調整の段階で毛がなくなってしまうのかもしれません。

ちゃんと発芽するかテストしてみる

 種が採れたら、ちゃんと発芽するのかどうか確かめます。やり方は簡単で、食品トレイにぬらしたキッチンペーパーを敷き、その上に種を置くだけです。上からラップをして乾かないようにしたら暖かい部屋においておきます(最低でも20℃以上)。このまま5日ほど置いておくと、発芽するはずです。

201012 発芽試験

 5日目、種を確認してみると、20粒中15粒が発芽していました。発芽率は75%ほどで市販品とほぼ変わりません。

 ひとまず、種としてはちゃんと機能しているようです。あとは来年栽培してみて、といった感じです。同じトマトでも品種によって葉っぱの様子も変わってくるので、丁寧に観察してみようと思います。

にんにくの植え付けをしました

 先日のたまねぎに続き、にんにくも植えつけてきました。

 にんにくほど、日々の料理の縁の下の力持ちが似合う野菜はいませんよね。私たちも毎日一欠けは必ず使っている気がします。特にぺペロンチーノはにんにくが必須! おいしいにんにくがあれば、間違いありません。

 そんなにんにくですが、スーパーにいくと中国産と青森産、最近はスペイン産と並んでいますが、大きさや値段はかなり違います。青森県産のにんにくは国産の7割ほどを占めていて、大きな6片の「ホワイト6片」という品種になります。値段も1球400円ほどとなかなかの高級品です。一方、中国産はどなたも一度は買われたことがあると思いますが、3球100円以下と、こちらはすごく安価。一球一球も小さいです。スペイン産は青森産ほどのおおきさで1球100-200円ほど。ちょうど、青森産と中国産の真ん中の味や価格ではないでしょうか。

 違うのは値段や大きさだけでありません。においと味や食感に大きな差があると思います。

 青森産はにんにくの良い香りで、火を通すとほくほくとした食感になります。一方、中国産のものは、いわゆるにんにく臭いといった感じ。味も少し味気ない気がします。

どっちも育ててみよう

 栽培する品種はどうしようかと考えたのですが、私たちはとりあえず中国産のにんにくと、青森県産のにんにく、どちらも育ててみることにしました。

 というのも、畑の土や栽培方法によって野菜の味は大きく変わります。もしかしたら、あんまりおいしくない中国産のものもおいしくなるかもしれません。

 しかも、国産のにんにくだけ栽培しようと思ったら、種代にすごいお金がかかります。もちろんたくさん国産を育てたいところですが、今年の植え付け量から見て、種代だけで万は超えてしまいます。そこで国産の「ホワイト6片」は2000円分くらいにして、来年以降の種用に増やすことにします。残りは中国産のにんにくを試験的に育ててみることにします。

にんにくの品種

 にんにくは思ったより種類が豊富で、大きさや香味などが異なります。また栽培する地域によって、品種が大きく分かれてきます。

 国産のものは7割近くが青森県産で、一球に白い大きな麟片が6個つくことから「ホワイト六片」という品種が栽培されています。中でも「福地ホワイト六片」という品種が最高級ブランドとして知られています。にんにくはその品種が開発された地名をとったものが多いです。

 ホワイト六片は青森を中心に栽培される「寒地系」にんにくで、同じ寒地系には「富良野」(北海道の富良野地域)などがあります。

 一方、暖地系の品種もあり、葉にんにくや茎にんにくとして栽培されてことが多いです。有名なものでは、「壱州早生」や「上海早生」などがあります。いずれも、寒地系のホワイト六片よりも香りが劣るものが多いです。

 本来はにんにくではありませんが、一般的にはにんにくとして扱われている品種として、「無臭にんにく」や「ジャンボにんにく」があります。こちらは無臭に近く、より食べやすいにんにくとして知られています。

 スーパーで大量、安価に販売されているにんにくはおそらく暖地系の「上海早生」の嘉定種のものではないかと思います。暖地系なので、冷涼な長野県では栽培しづらいかもしれません。品種による成長の違いが観察できて、良い経験になることを期待します。

植え付け前の一手間で発芽をそろえる

 にんにくの植え付けは簡単で、球になっているにんにくをばらし、麟片にします。これをそのまま地面に植えるだけです。実を覆っている薄皮(むきにくくて料理のときにイラッとする)は剥かなくてもよいそうです。

 ですが、より発芽を揃え、確実に芽を出させる一手間をインターネットで発見したので実際にやってみることにしました。

 それは薄皮まで剥いて、水に浸した後、冷蔵庫で数日おいて根出しをする、というもの。薄皮まで剥くので時間がかかるのですが、かなり発芽がよくなるそうです。

 まずは買ってきた種用にんにくを水につけておきます。今回は2時間ほどさらしておきました。そして、薄皮まで剥いていきます。このとき水につけておかないと薄皮がくっついて、非常に剥きづらいです。傷をつけるとそこから病気が入る原因になるので慎重に剥きます。

 ついてでサイズごとに並べておきます。植えつけるときにサイズ順に並べたほうが、種の大きさが収穫にどう影響するかわかりやすいと思ったからです。

 これを袋にいれて、冷蔵庫に入れて3日待ちました。

植え付けと発芽の様子

 3日後、にんにくの様子を見てみると、根っこが少し出ていました。この根っこを傷つけないように丁寧に植えつけます。

201018 発根している
かわいい根が出てきた

 植えつけるときは押し込まずに、スコップや指で土をどかして穴を開けます。そこにそっと置いて土を寄せます。深さは大体5cmくらいになるようにしました。

201018 植え付けする畝
植え付け完了

 数は青森産「ホワイト六片」が70個ほど、中国産「嘉定種(推定)」が200個ほどです。

ちゃんと発芽してきました!

 植え付けから4日目。にんにくが発芽してきました。普段は保存中に芽が出てしまって、あーあと思うところですが、今回は地面からひょこっとでてきた芽がかわいい。今のところ、中国産のほうが発芽してきており、ほぼ100%発芽しています! 青森産のほうはまだまだこれから、といったところ。

 やはり早生か晩生か、暖地か寒地かで変わってくるのでしょうか?

201024 にんにく発芽
発芽した!

 ここから成長が止まる真冬までに草丈15-20cmくらいになればちょうどいいですが、どのくらい育つのでしょうか?