【自然農】自給自足に欠かせない大豆栽培。種まきから収穫後の選別までのまとめ【自給農】

自給自足に欠かせない大豆とその加工品

 味噌や醤油などの調味料、納豆や豆腐など大豆から作られるものはたくさんある。なかでも調味料の自給はロマンと実用性を兼ね備えており、自給自足な生活を送るうえで欠かせない。

 日本人の食生活に大きな影響を与えている大豆だが、国内自給率は実に約7%と、ほとんどを輸入に頼っている。なかなか国内の需要を満たすだけの供給はできないのが現状である。だが自給分であれば、大豆は十分自給可能であると思う。一昨年、昨年と栽培してみた結果をまとめてみた。

手作業で大豆を栽培する

 今年、私たちはほぼすべて手作業で大豆を栽培した。普通、大豆農家であれば、数haの広い土地で、大型機械を使用した大規模で効率的な栽培になる。5.0ha以上の耕作面積を持つ農家は全体の大豆農家の1割だが、耕作面積は全体の6割を占めることからも、大規模集約的な栽培が伺われる。さらに国産大豆の内、有機栽培されるのは0.5%ほどでかなり希少なものとなる。

 私たちは自分たちが食べる分だけ栽培すれば良いので、他の野菜と同様、自然栽培でやってみた。無肥料、無農薬栽培になるが、大豆はマメ科の野菜で窒素分を空気中から固定する力があるので、自然栽培に適した作物だろう。

220131 綺麗になった大豆

 使用した機械は種まきと除草のための刈払機と、選別するときの扇風機のみだ。基本的に手で種をまき、草が生えて来たら鎌で刈り、収穫と脱穀、選別まで全て手作業で行った。ゆえに動力は自分の身体がほとんどだ。

 結論としては、時間がそれなりにかかるが、今年の栽培面積くらいなら無理なく全ての作業をすることができた。

2021年の栽培面積、作業時間、収量の結果

①播種

 2021年は20mの畝を2本分で、約40平米で栽培した。播種した大豆は150gほどだった。栽培した品種は長野県在来種のナカセンナリ。2020年に初めて種を購入して栽培し、自家採種したものを使用した。

 播種したのは6/10。播き方は二種類試した。どちらも草が生えているところを耕すことなく播いた。半分は草刈り機で地際ぎりぎりまで刈り、種をまく場所を鍬で薄く削って地面を露出させてから播いた。

 もう半分は草刈りをざっとして、種をまく、ちょうど手のひら分だけ手鎌で刈り込んでから播いた。

 それぞれかかった時間は倍くらい違う。丁寧に作業したほうは20平米で1.5時間。もう一方は同じ面積で40分ほどだった。実際の作業も、ざっと草刈りして播く方が圧倒的に楽だった。

②草刈り・間引き
 発芽は播種後の雨のおかげで簡単にした。その後の管理は、大豆の成長に合わせて伸びた草を刈っていくだけだ。

21060 発芽
種まきから10日後

 最初はしっかり地面を削ったほうが雑草の数は少なく、楽なように思われた。簡単にやったほうは生長点も残っているので大豆とほぼ同じ大きさの草が揃って生えてきた。
 大豆が草に埋もれない程度の頻度で、手鎌と草刈り機で刈っていく。一回あたり約1時間。最初の草刈りの際に、双葉が揃っていない大豆は間引いた。

 大豆の成長は早く、草刈りの頻度は後半になるにつれて下がっていった。合計で4回、草刈りに入った。9月以降、草刈りをした記録がないのでその後は放置で育った。種まきの仕方による差はほとんどなかった。

210907 発芽後10週間 腰くらいまで北
発芽してから70日後

 気を付けたのは、開花期にあたる8月上旬までに厚めの敷き草をすること。大豆は開花期の渇水で莢つきが著しく悪くなる。敷き草をしておくと、地面の乾燥をかなり抑えられるので8月の乾燥期までにしっかりと準備をしておく。これはナスやトマトなどの野菜にも同じことが言える。

③収穫・脱穀・選別

 普通ならビーンハーベスタで一気に収穫するのだろうが、私たちにそんなものはない。そこでのこぎり鎌で地道に刈り取った。地際で刈ると腰をまげることになって大変なので、無理のない高さで刈り取った。刈り取った株はビニールハウスに運び込んで1週間ほど乾燥させた。

211106 発芽後17週間 ハウスで乾燥
ビニールハウスで乾燥

 脱穀は手作業でも使える千歯こきのような道具があるようだが、わたしたちは持っていないのでひたすら手で脱穀した。最初は長靴で直接足踏みするように外した。株をどけるとたくさんの大豆が空の莢や枝葉と一緒にあつまっているのでそれをコンテナに移す。これをひたすら繰り返し、約2時間ほどで脱穀できた。

220125 脱穀終わり、篩まで
脱穀した大豆

 選別作業はえごまの選別や大根などの野菜の種にも共通する作業なのでかなり慣れてきた。
 まずは大豆が落ちないサイズの篩にかけて、小石や細かい残渣を落とす。次に大豆が通れるサイズの篩で大きなごみを取り除く。
 この後、風選を行う。風選とは風の力で軽いゴミを吹き飛ばして選別する方法。唐箕という専用の道具もあるが、もちろん私たちは持っていない。そこで扇風機で風を送って風選することにした。扇風機の前で大豆を落とすと、きれいに莢や葉っぱ、かけた大豆が吹き飛ばされて、きれいな大豆が残る。

220125 風選
風選

 ここまでくればあと一息。

 最後は目視で大豆を選別していきます。割れていたり、黒く干からびているもの、病気で黒斑・紫斑が出ている豆を取り除きます。根気のいる作業ですが、自分たちが食べる大豆です。気楽に気長に楽しんで頑張ります。
 ①傷もなく、形が綺麗なもの、②割れたり、形が悪いけど食べられるもの、③食べられなそうなもの、で分けていきました。

 選別にかかった時間はざっと3時間ほど。収量はつぎのようになりました。

合計
5400g 4560g (84%) 240g 600g

 作業時間の合計は、①栽培で6時間、②選別で3時間の9時間となった。これらを栽培農家の平均と比べると、

  収穫量 収穫量(10a換算) 作業時間 作業時間(10a換算)
自給栽培 4.5kg 112kg 9時間 225時間
長野県   140kg   14時間

 時間に関してはどうしてもかなわないが、収量は思ったより悪くないと思う。資源の投入無しでこれだけ収穫できれば十分だろう。自分たちの作業時間はもう少し早くできる部工程があるので来年に活かす。

自給するなら大豆を作ろう!

 今年収穫した大豆を使って味噌を作るつもりだ。味噌は日常的に使う調味料なので、自家製味噌を食べるのが楽しみだ。割れてしまった大豆もきな粉にしておいしくいただくつもりだ。豆腐作りにも挑戦したい。5キロくらいならすぐに消費してしまいそうだ。

 今年栽培した経験からすると、10kg、いや30kgくらい収穫できるくらいまで規模を大きくできそうだ。それだけあれば、自給分はもちろん身の回りの人たちにあげる分もありそうだ。

 2022年はもう少し栽培する量を増やして、味噌や豆腐をたくさん作りたいと思う。種もは自家採種2年目となり、より土地にあった大豆になることを期待している。また、唐箕や千歯こきなどの古くから使われてきた便利な農具をしっかり活用しながら保存して行きたいので使われずに眠っているものを探したい。

 大豆を選別してみて、食べられないクズ大豆がそれなりの量でた(約10%)。今年は畑の土に戻すつもりだが、これを活用する方法もある。私たちは最終的に鶏を飼って、卵を自給したいと思っている。大豆は栄養価が高く、鶏のエサとしても有用だ。より循環する生活を目指すうえでも大豆は必ず作りたい作物だ。