【自然農】9月に行った作業とその考察【寒冷地】

秋冬野菜の収穫が開始

 8月から(早い物では7月から)種まきし始めた秋冬野菜が収穫し始めることが出来た。ある日の収穫は以下の通り。かなり色々な種類の野菜が収穫出来ている。自給分に十分な量だ。

220926 ある日の収穫物
9月下旬のある日。

 一番早かったのはもちろんはつか大根。種まきは8月19日で、初収獲は9月14日だった。いつもそうだが、はつか大根といえど、本当に二十日で収穫できたことは無い。今回はかなり惜しかったが、自然農というとを考慮しても良いペースで育ってくれた。

220914 はつか大根収獲
収獲したはつか大根
220914 はつか大根no
サラダに入れると見た目も華やかに


 品種はカラフルファイブというミックス種子で、一応固定種と言うことになっている。そのせいなのか、一般的な赤白の紡錘型よりもきれいにできたので重宝している。

 小松菜やルッコラなどの葉物類もすこしずつ収穫して、食卓に上っている。
 小松菜は慣行栽培用の品種ではなく、自然農法向けに育種された「新戒青菜」(自然農法国際研究開発センター)を栽培した。自然農3年目の圃場で、無肥料無農薬だが良く育ち、虫食いも比較的気にならなかった。

220926 小松菜収獲
新戒青菜。虫食いも少ない。

 秋冬野菜ではないが、特筆しておきたい野菜が鷹の爪だ。
 鷹の爪は栽培期間が長く、9月になってようやく赤く完熟してきた。通常、鷹の爪などの赤唐辛子は霜の降る前に一斉収穫するのだが、今年は一工夫した。簡単な事だが、真っ赤に熟したものから順次収穫にしたのだ。こうすると過熟になったり、日焼けたりして価値が落ちることが激減する。良品率が格段にアップするため、こまめに収穫すると良いようだ。

ひたすら草取りの日々

 夏はどんどん草が伸びるため、刈っては敷きを繰り返した。これは自然農において、養分の循環を促す重要な作業だ。
 一方、秋冬野菜は葉物や根菜のような芽が小さく、生長しても小さい野菜が多い。そのため、刈る高さになるまで待っていると草に負けて徒長したり、病気になってしまう。

 そこでまだ暑さが残る中、草取りに繰り出す日々だった。8月中旬から9月の初めまで順々に播いているため、毎日のように草取りをした。

 栽培量でも大きく違ってくるだろうが、基本的に秋冬野菜の草取りは真夏の作物の草刈りよりは楽にできる場合が多いと思っている。播き時はお盆からだが寒冷地の当地では一気に秋になる。近年は残暑が厳しい日もあることにはあるが、生えてくる草はすっかり秋使用だ。うちの畑では割とハコベやホトケノザが増えてきたこともあり、一度草取りもしてしまえば、そのようなやわらかで野菜の生育を邪魔しない良い草が生えてくれる。

 写真は7月終わりに播いたビーツだが、地表をハコベが覆っているのが見える。このおかげで地表面が太陽や雨から守られ、耕さずして土が肥えていってくれるのだ。

22092 ビーツと共生する草
ビーツと共生するハコベやホトケノザ

 毎年のことだが、この時期は夏草の種が付く。普通に考えると種が一杯落ちて、来年は大変だと思ってしまうので刈り払っておきたくなる。しかし、自然農ではなるべく草も本来の循環の中で生きていってもらいたい。種が付く前に根こそぎ刈り取るのではなくある位程度は命をまっとうできるように努めている。

自家採種用の果実を収穫

 9月にもなると、夏野菜の自家採種用の実が熟してくる。
 今年はトマト、ナス、ピーマン、唐辛子、ズッキーニ、オクラの種は自家採種する。 

 まずはズッキーニの採種果を収穫した。通常、開花後3~4日、15~20cmで若採りする作物だが、採種するには2か月近く収穫せずに実らせておく。ぐんぐん大きくなり、今年は掌二枚分まで大きくなった。知らない人が見たら何の野菜かと思うだろう。
 収穫目安は着果から60日経過で、果梗部がコルク状に変化するため、記録と観察が大事だ。今回は無かったが、完熟状態まで畑に置いておくため、ネズミなどの食害、採種株の枯れ死や病気に注意する。気づくのが早めなら新たに採種果を用意することもできる。
 こちらのズッキーニの種採り作業はもう少し、常温で放置して追熟させてからにする予定だ。他の実践者の記録では収穫後半年近く放置しておいても、十分発芽力のある種が採れた事もあるようなので焦らず時間のある時に行うつもりだ。

 ミニトマト、大玉トマトは9月の半ばには採種を終えた。これはうちのトマトはまだ上手く育ててあげられなくて、株も寿命が短いため、早めに採種果を決めておいたからだ。
 トマト類の採種はひと手間かかる。以前紹介しているため、ぜひ参考にしていただきたい
 どちらの品種も、昨年よりも良く育った株から採種しているため、より自然農に適応した種になってきているのではないかと楽しみだ。

 まだオクラやナス、ピーマンは完熟になっていないため、10月になってからの採種になるだろう。ピーマンの自家採種は初めてで真っ赤なピーマンの実を見れて感慨深い。

寒冷地の自給菜園はどんどん暇になる

 これから冬にかけて出荷が始まる地域の農家ならまだしも、自給用、季節の作物を育てることを重視している私たちの畑はどんどん作業が減っていく。関西の方はまだ夏野菜も採れるだろうし、葉物や根菜の草取りも始まったばかりだろうか。

 ここ長野県の多品目な自給菜園では力仕事や草取りなどの体力勝負の作業が減る一方、嬉しい収穫シーズンがやってくる。定番の大根やかぶ、小松菜はもちろん、忘れてはいけないのが里芋だ。今年の里芋は株がだいぶ大きくなった。収穫が楽しみだ。

 10月の終わりには霜も降るようになる。それまでには夏野菜の収穫、種採り、片付けは終わりにしておきたいところだ。特に片付けは時間に追われていないため、後回しにしがちだ。また、秋冬野菜も凍みてダメになってしまう大根などは貯蔵する必要がある。里芋も霜が当たり過ぎると良く無いため、早めに収穫したい。
 しかし、寒さが厳しくなると外作業は辛いし、土が凍ると畝の補修作業も出来なくなってしまう。先にそういった補修作業を済ませておく方がいいのだろうか。どちらにしても、どんどん畑からは遠ざかる日々が増えていくだろう。

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