異例の早さの梅雨明けのはずが雨続き&猛暑
今年の梅雨はあっという間に明けてしまった。6月には梅雨明けが宣言され、猛暑が続いた。といっても、7月は連日雨続き、という日々があり、一方で猛烈な暑さに見舞われた。
また天気予報が殆ど当てにならず、直前になっても予報が外れて雨が降る・降らないということが多かった。基本的に雨が降ると、野良仕事はできないため中々予定通りに作業できない日が多かった。
今年の夏は野菜が草に覆われないように、一緒に共育ち出来るように早め早めに草刈りをすることを意識している。一時期ズッキーニが日照不足と思われる症状が出ていたが、それ以外は草に覆われていない。
7月は夏真っ盛りだが、既に秋冬野菜の準備が始まる季節でもある。夏の頭と、冬の頭の切り替えをしっかりして、時期を逃さないようにしたい。
秋冬野菜の人参・ビーツの種まき
例年、私たちは秋冬野菜の種まきは8月中頃からすることにしている。暑さがピークに近い7月は種まきにはあまり適さない。虫の活動も活発で、初期生育の段階で出鼻をくじかれがちだからだ。
しかし、今年は人参とビーツに限って、7月下旬の種まきとした。
理由は梅雨(今年は明けてしまっていたが)の雨で湿り気を保ちやすいこと、そして生育ステージと気温の兼ね合いを考えたからだ。
タキイの野菜栽培マニュアルによると、人参は生育適温が15~20度で、この気温になる時期に肥大期を合わせるような栽培をするのがセオリーだ。特に長野県は寒冷地で、特徴として10月に入ると一気に気温が下がる。播き時が少し遅れると、かなり生育に影響が出てしまう。
私たちの住む地域では平均気温が20度を下回るのが9月20日前後となる。その日から60日遡って7月20日頃に種まきをすれば、にんじんの肥大に一番良い季節を充てられることになる。
ビーツもほぼ人参と同じような気温や生育過程を経るため、人参と同じタイミングで播種した。毎年、ビーツはほとんど大きくならずに冬になってしまうため、今年は期待したいところだ。
種まきは初期除草を鎌で行えるように丁寧に表土を整えた。その方法についてはこちらの記事を参照して頂きたい(【自然農】生育初期に草に埋もれないための整地・種まき方法【不耕起】)。
ビーツは無事発芽して、最初の除草作業を済ませてある。実際の作業前後は写真の通りになる。腰を曲げることなく、身体への負担が非常に少ない除草方法だ。
発芽率が80%の種を一粒播きしたため、欠株が目立った。欠株には追い播きをしたため、また1週間後に発芽確認と、初期除草を行いたいと思う。
ズッキーニの収穫・品種による生育の違い
5月15日に種まきしたズッキーニがようやく収穫できるようになった。最初はモグラによる根痛みが激しく、植えた株を改めて種を播きなおすことになったため、予定よりも2週間以上遅れる様子となった。
5月に紹介した「割りばしでモグラの侵入を防ぐ」作戦が上手くいき、モグラ被害は激減した。
今年は二カ所の畑でそれぞれ一種類ずつズッキーニを栽培している。自家採種ができる固定種であることを条件に品種を決めた。一つは普段よく目にする濃い緑の長形ズッキーニ(品種名: ブラックビューティ)、もう一つは淡い緑色のバンビーノを選んだ。
それぞれ同じズッキーニとはいえ、タイプが違う。バンビーノはかなり豊産性で花が沢山咲く。草勢も強く、ツルなし種ではあるが、生長点付近からツルが伸びている。
ブラックビューティは一般的なズッキーニだと思えば間違いない。私たちの畑では生育が芳しくなく、収穫はまだ少ない。
栽培している畑が違うため、一概には言えないがバンビーノの方が無肥料不耕起の環境には適しているように感じる。株がぐんぐん大きくなり、既に直径1mほどに葉っぱを広げている。
バンビーノは生育が良いため、すでに種採り用の果実をつけることにした。順調にいけば、来年はズッキーニの種を買う必要はなくなる。
ズッキーニも例にもれず、垂直に縛る付けることで生育の健全化を図っている。野菜は風通りが悪くなると、病虫害が発生しやすくなる立体にすることで長期間収穫できるようになる。
ブラックビューティの方は下葉かのふちが茶色に変色しだし、株が弱っているように感じる。去年も同じ症状で、収穫を断念した。今年は何とか乗り切ってほしい。
夏本番で勢いが出てくるナス科野菜
二年越しのナス収獲なるか
昨年全然育たなかったナス。二年間耕作放棄地だった畑に、自然農に適した品種を植えた。
定植から50日が経過し、樹全体のボリュームはかなり出てきた。7月頭に花が咲いたが、それは株を大きく育てる為に落とした。それから10日ほどたってから第二花が咲き、いよいよ収穫間近となった。
虫食いはフキノメイガ(茎に侵入し、食害する)の被害を除いてほとんど見当たらない。アブラムシもつかず、肥料分は多すぎないようだ。この畑は元々レタスを栽培していたようで、残留肥料が多い為、良く育っているかと思っていたが、そうではなくて地力で育っている印象がある。
フキノメイガの被害はピーマンとナス、合わせて10本ほどの枝にあった。それぞれ二株は根本から侵入し、株ごと撤去することになってしまった。多少の虫食いは仕方のない物だと割り切ることにしている。むしろ、その虫は美味しく野菜を食べてくれたわけで良い事だと思おう。
水はけの悪い元水田圃場のため、青枯れ病の心配をしていたため、ぐったりしている株を見つけた時はドキッとしたが、今のところ青枯れは出ていない。
収穫が始まったピーマン
ピーマンはナス科の野菜の中でかなり高温を好むため、収穫は遅れるかと思っていたが、一番早く収穫が始まった。第一花、第二花ともに草勢維持のために摘果し、その後もしばらく小さめの状態で収獲したため、株はかなり元気だ。
ピーマンも垂直仕立てと通常仕立て、どちらも用意して比較している。今のところ、どちらも順調で差はあまり見受けられない。
栽培が初めてということもあり、通常仕立てといいながら、とりあえず無整枝で放任している。実付きも良く、無農薬でしっかり育っている。
垂直仕立ての方はというと、枝がかなり混み合っており、支柱にしっかり縛り付けることが難しい。数本の枝がぴゅーっと上に伸び、下から次が伸びてくるナスやトマトと違い、ピーマンは何本もの枝が同時に伸びている。花や実を中に巻き込んでしまい、非常に作業性が悪いため、少しだけ芽かきをすることにした。
垂直仕立てでは芽かきはしないが、枝を垂直に縛るために多少の枝を整理しても良いだろう。なるべく、弱弱しい細い脇芽を根元から切り取った。
BeforeとAfterを比べると、Afterの方は中心がすっきりし、しっかりと枝を垂直に仕立てることが出来ているのが分かる。しばらくは少しずつ芽かきをしながらの誘引をして行く予定だ。
垂直仕立てと通常仕立ての違いが見えてきたトマト
トマトはいよいよ実が赤くなり収穫期が近い。早速先に色づいたトマトを味見した。さわやかな酸味で美味しかった。
一般的なトマト栽培からすると、今年の私たちのトマト栽培は失敗レベルだろう。でも、昨年からしたらかなり良く育っている。一段目こそ花が少なかったものの、二段目、三段目としっかりと花芽がついている。
トマトは垂直仕立てと通常仕立てである違いが見え始めた。それは垂直仕立てにした株の実割れが少ないということだ。先日の雨で収穫間近だった実が殆ど割れてしまった。しかし、垂直仕立ての株は実割れがなかった。
道法正徳著の「道法スタイル野菜の垂直仕立て栽培」のトマトのページにも次のような記述がある。
『また、露地栽培でも実割れ果が出にくいのも特徴です。これは、あらゆる植物ホルモンが活性化しているため、降雨でトマトが養水分を吸ってもジベレリンの異常活性が抑えられるからです。』(道法スタイル野菜の垂直仕立て栽培 道法正徳著 p.33より引用)
この実割れが少ないのは垂直仕立ての結果かのか、これから注意深く観察していこうと思っている。
夏野菜の季節はまだまだ続く
七月に入り、インゲン豆の収穫も始まった。やはり、マメ科の野菜は比較的地力のない圃場でも良く育つ。栽培後の地力もあげることにつながるマメ科の栽培はかなり有効な土作りだろう。
地力のない畝にはマメ科を植えるというのを繰り返して行けば、畑全体の地力をあげられるだろう。
いんげん豆は五月一五日に播種したもので、第二弾として六月一五日に種まきしたものが育ってきてくれている。
また同じネットをつかえるため、モロッコいんげんを七月の終わりに播種した。夏が終わり、いんげんの栽培適温となる九月中頃から収穫できると思う。
オクラも順調に育っている。多少アブラムシやアワノメイガの被害があるが、花芽も付きだしている。八月に入れば収穫が始まりそうだ。オクラは種採りしやすいのとたくさん播きたいので特に自家採種したい野菜だ。早めに種採り用の実を確保しておきたい。