落ち葉堆肥作り/実験編③

 前回切り返しをしてから1ヵ月が経ちました。そろそろ二回目の切り返し! ということでやってきました。

 前回はスコップ一本で枠から出しましたが、今回は新たにトロ舟(大きなタライ)を使うことにしました。これにいっぱいつめて、舟ごと外に出すことで少しは楽になるはずです。

 いざ作業開始。順調に外に落ち葉(だったもの)を出していきます。1ヵ月前よりさらに風化・分解され、土に近づいてきています。よーく見てみると、ミミズをはじめ小さな虫たちがたくさんうごめいていました。多種多様な生き物たちが落ち葉を食べて、堆肥にしてくれているのがわかります。

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 時間にして前回の半分の20分ほどで、全ての落ち葉を出すことができました。これを混ぜ合わせて、再度詰め直します。あっという間にできてしまいました。

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 この調子で分解が進めば、10月終わりの畑作りの時期には間に合うと思います。一方でこの方法だと、もっと広い畑になったときに必要な分を作るのが難しいとも感じています。もっと、手間をかけずに、具体的には機械を使って堆肥作りをできるように考えていきたいです。

ズッキーニ初収穫!

 今シーズン初のズッキーニを収穫しました。雨続き&雌花しか咲いていませんでしたが、人工授粉することでしっかりと収穫できる大きさになりました。ぴかぴかで美味しそう!

 最初の植え付けが遅かったので、収穫開始も遅れてしまいました。でも今年の梅雨は例年にない長雨となり、ハチによる受粉がうまくいかない期間が長かったので、全体的に遅れてよかったのかもしれません。

 ズッキーニはしばらく前から一般的になってきたイタリア野菜ですね。今はスーパーに行けば長い期間、売られています。

 食べ方もいろいろありますね。
 オリーブオイルで焼き付けて、塩と胡椒で食べるもよし、ベーコンもあるとなお良し。BBQの野菜にも良いですね。ちょっとおしゃれにいくと、ラタトゥイユにズッキーニは欠かせません。昨年、試した中で以外にもおいしかったのが漬物です。ズッキーニを生で食べることはあまりないかもしれませんが、浅漬けの元につけるととても美味しい。ピクルスにもぴったりですね。

 今日は早速ベーコンと炒めて、塩と少しの醤油でシンプルにいただきました。新鮮でとても美味しかったです。

 こう並べてみると、ズッキーニはいろんな場面で使える万能野菜ですね。

 

 今年はスタンダードな緑色のものと、ちょっと変り種のUFO型のズッキーニも育てています。UFO型はまだまだ時間がかかりそうです。もう実はつき始めていて、すごく可愛い形をしています。

 今後も日を開けて順次種まきしていきます。毎日新鮮な野菜が食べられるので、楽しみです!

ルタバガを収穫しました

 雨の合間を縫って、ルタバガを収穫してみました……そもそも皆さん、ルタバガってご存知でしょうか?

 以前、種まきをしたときに簡単にご紹介しました。

 ルタバガとは、西洋カブ、スウェーデンカブとも呼ばれるアブラナ科の野菜で、カブの仲間です。スウェーデンなどの北欧ではカブといったら、このルタバガがイメージされるようです。日本にも明治時代に入ってきましたが、一般的な白いカブとは似つかない味で、あまり好まれませんでした。

 ですが、私的には昨年偶然出会って、ポタージュにしたところ、すごく美味しくて気に入ってしまいました。実は、今年作付けした野菜の中でもトップクラスに期待していた野菜です。

 写真のルタバガは種を播いてから二ヶ月ほどたっています。大きさは握りこぶしほどで200gあります。

 今回は柔らかく煮て、マッシュにしてみることにしました。原産地である北欧スウェーデンでは、ルタバガをジャガイモと一緒にマッシュにして食べるのが一般的なようです。皮をパリッと焼き付けたチキンステーキの付け合せにいただきました。

 期待のお味はというと、実は最初ほどの感動的な味ではなかったです。それでも、カブとも違う、ジャガイモとも大根とも違う、ほのかに甘みのあるやさしい味でした。

 何でかなぁと思っていたのですが、ちょっと思い当たることがありました。

 実はこのルタバガという野菜、非常に耐寒性に優れます。最低で-15℃の寒さにも耐え、あまり株が育っていなければ十分越冬できます。さらに貯蔵性も高く、北欧諸国では厳冬期の貴重な野菜として重宝されてきました。

 一般的に野菜は氷点下に近い寒さにあたると甘みが増します。これは水分が凍らないように、糖分を溜め込むからです(不純物(=糖分)が多い水は0℃以下でも凍らなくなる。これを化学では凝固点降下といいます)。

 昨年食べたルタバガは冬の直売所で買ったものでした。おそらく冬の寒さにあたって、甘さが増したものを食べたのだと思います。今の季節は夏なので、まだ甘さが乗っていなかったからあまり美味しく食べられなかったのではないかと思っています。

 また、今回のルタバガにはアクというか、えぐみがありました。最初にしっかり湯でこぼすなどのした処理をすればさらに美味しくなりそうです。

 まだまだルタバガはこれからも播けます。真冬に収穫を迎えられるよう日にちをあわせて、再挑戦したいと思います。貯蔵性も高いので、美味しい冬の時期にたくさん作って保存しておくのも良さそうです。

 当たり前ですが、野菜には一番美味しくなる旬の時期があって、そこをはずすと味が落ちるということを身をもって実感できた一日でした。

 

降り止まない雨

 7月に入ってから、九州のほうでは非常に強い雨が降り続き、甚大な被害をもたらす災害となっています。被災地の方々の身の安全、健康、少しでも早い復旧・復興を祈っています。

 長野県でもここ1週間ほど、断続的に雨が降り続いています。私のイメージでは、長野の梅雨は、そこまで雨が降らず時折晴れ間もあって、気づけば梅雨明けという感じでした。

 しかし、今年はどうやら様子がおかしい。もう1週間以上、太陽を拝んでいない気がします。雨も激しく、降ったりやんだりでぱっとしません。

 こうも雨が続くと、畑にも悪影響が出ています。一番心配なのは、排水が追いつかず野菜が根ぐされしてしまうことです。一度腐るともう大きくならず、処分するしかなくなってしまいます。また、土も固くしまってしまうので酸欠にもなり、これもまた良くありません。さらにほとんど太陽が出ていないので、日照不足も心配です。

 このあたりで何十年も農業をされている方に聞くところによると、今年の梅雨は異常だそうです。その方はレタスを中心に農業を営まれているのですが、野菜が育たないため出荷が止まってしまっているそうです。本来であれば、この時期は出荷が忙しくて、猫の手も借りたい状態なのに、こんなのは初めてだ、とおっしゃっていました。

 畑は、特に野ざらしで栽培する露地栽培は、天候の影響をもろに受けます。どんなにしっかり施肥設計をして、スケジュールを調整して作付けしても、このような悪天候には対応できません。自然は多くの恵みをもたらす一方で、甚大な被害をももたらします。上手に自然と付き合っていく方法を模索していかないといけないと考えています。

 今日の夕方にようやく一瞬だけ、雲が切れました。とても幻想的な風景になっていて、思わず写真を撮ってしまいました。

 明日は久しぶりに一日を通して、晴れの予報です。やりたい畑仕事がいっぱいあるので、今日は早めに身体を休めたいと思います。

雑草との付き合い方/畝の雑草マルチ

私たちの畑の雑草管理

今日は私たちの畑の雑草の管理についてご紹介したいと思います。

 まずはこちらの写真をご覧ください。畝間(ビニールマルチを張っていないところ)は雑草が伸び放題になっています。見る人によっては、「もっとちゃんと管理しろ」と怒られてしまいそうですね。

 これは草刈をしたくなくて、時間がなくてこうしているわけではありません。わざとこうなるように、放置してみました。

雑草は邪魔者?

 普通は雑草が生えてこないように、と一生懸命雑草取りをします。なぜかというと、理由は単純で、雑草は野菜ではないからなんじゃないでしょうか。畑で育てて収穫したいのは野菜であって、雑草ではない。言い換えれば、雑草は邪魔な存在なんです。

 確かに、作物よりも大きくなってしまった雑草は日光をさえぎり、肥料分も当然吸収しています。こう見ると、雑草は野菜の邪魔者かもしれません。だから、こちらも必死になって草取りをします。

 でも、わたしたちは雑草を邪魔者だとは考えていません。雑草も畑という環境には必要なものだと思います。草が生えることによって、土が裸にならず、また虫たち(害虫、益虫)の住処にもなります。根を張ることで土も耕されます。さらに、草が枯れて土に還ることで土が少しずつ豊かになります。

 いかにも自然農法的な考え方で、一部の方からは「そんなきれいごとで農業はできない」といわれてしまうかもしれません。

緑肥によるリビングマルチとの違い

 雑草じゃなくても、緑肥と呼ばれる植物を畝間に生やす、リビングマルチという技術もあります。これは大麦などのイネ科やクローバーなどのマメ科の植物を畝間に生やし、防草などの効果を狙うものです。雑草よりも管理しやすく(種類が一つで済むため)、同じような効果も期待できます。

 でも私たちは、雑草でこの状態を作ることに意味があると考えています。なぜかというと、少し難しい話になってしまいますが、がんばって簡単に書いてみます。

 植物(のみならずすべての生物)は微生物のおかげで生命を維持しているといっても、過言ではありません。畑を見ても、土から野菜が生えているという単純な話ではなく、土の中、もちろん野菜の体内でもたくさんの微生物の存在が重要な役割を担っています。そして、私たち人間も本当にたくさんの微生物とともに生きているのです。

 そして、植物の種類によって共生している微生物の種類もかなり変わります。緑肥作物の、たとえば麦を使って畝間のマルチとして使用しても、土にはその麦の共生微生物しか増えません。それって、やはり不自然なのではないでしょうか。

 テキトー(適当)に草を生やしておけば、ざっと10種類以上の多様な草が観察できます。すると、土の中では、それぞれに特有な微生物が増えて、結果として、とても多様性に富んだ土になっていく。そう考えて、こうしてみました。

 雑草も生えていないきれいな畑に、単一の作物が整然と並んでいるのに違和感を覚えませんか? 農業が自然とは正反対の行為であるということは理解していますが、それでも自然の環境は野菜にとっても理想に近いのではないかと思っています。

とはいっても、、、

 伸ばし放題にしていても、先に述べたように野菜の生長の邪魔をしてしまうので、ある程度のところでビーバーや手鎌を使って刈りそろえます。もちろん刈った草はそのまま敷いておきます。

 こうすれば、雑草が野菜の生長を邪魔することはないはずです。

 畝間の雑草をこのように管理するのは初めてなので、これから梅雨が明けて、雑草たちが本気を出してきたときに、ちゃんと管理していけるかはわかりません。このやり方で、どのくらいの面積の畑が管理できるのかも未知ですが、手探りながら挑戦していきます。

地球上で最も数が多い生き物、それは、、、

 今回の話では、微生物が少し出てきました。微生物の一種である、細菌は地球上で最も数が多い生き物です。とんでもなく桁違いに。そして、細菌の先祖とも言える古細菌やそのほかの微生物は、人間よりも、植物よりも、魚類よりもはるか昔から地球上に存在していました。

 微生物は農業以外でも、その存在を無視できない生物です。病気になったときに頼りになる薬や、みんなが大好きなお酒や、普段何気なく食べている食べ物。私たちを蝕むさまざまな疾患、アレルギー反応。生と死の循環。全部微生物が関わっています。普段見えないけど、とんでもなく大事な微生物について、もっと話したいことはたくさんのあるので、少しずつ触れていきたいです。