知られざるゴマの姿

 今日のテーマは、今年私たちも初めて栽培したゴマについてです。皆さん、普段何気なく口にしているゴマがどのように生っているか知っていますか? 私たちも今回栽培してみて、初めてゴマが栽培されている様子を見ることができました。今回は実際の栽培風景も踏まえて、ゴマについて紹介していきたいと思います。

ゴマはどんな植物?

 ゴマは世界中にたくさんの種類が存在しているゴマ科ゴマ属(そのまま!)の一年草(一年周期で芽が出て、花がつき、種をつくり、枯れていく植物)です。アフリカ大陸には数多くの野生種のゴマ科の植物が生息しているようですが、食用としてのゴマの栽培はインドで始まったようです。つまり、インドがゴマの原産地となります。

 インドと聞くと、すごく暑かったり、常に湿度が高い、または低いといった極端な気候を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。そんなインド原産のゴマはあまり日本の気候にはあっていないと思う方もいることでしょう。しかし、ゴマは非常に適応できる範囲が広く、私たちの住む長野県(日本の中でも比較的冷涼な地域)でもしっかりと実をつけるまで生長しました。

 普段私たちが食べているゴマは99%以上が外国産で、国産のゴマはわずかに0.1%未満といわれています。あまり主役になることのない食材ですが、縁の下の力持ちとして、日常的に使う方も多いと思います。

ゴマに出会ってしまった!

 今年の春先、何を畑に播こうかと考えていた頃、インターネットや地元の種屋さん等をめぐって育てたい野菜を絞り込んでいきました。ふらっと立ち寄ったホームセンターの種コーナーを眺めていると、ふと「ゴマ」の文字が目に飛び込んできました。

 ゴマってあのゴマ? と興味が出て手にとって見ると、まさにあのゴマでした。それまでまさかゴマが日本で作れるとは思ってもいなかったので、その場で種を買っていきました。

 そして、ゴマのことを調べていると、国内自給率0.1%未満という情報が。もうゴマを作ってみたくてたまらなくなりました。自分たちで食べる分のゴマを作れれば、日本の中で0.1%の希少価値をもったゴマを食べられるわけですから。ロマンの塊です。

 そんなこんなでゴマの栽培が始まりました。

ゴマの栽培方法①

 いざ、畑にゴマを播く。とはいったものの、どのくらい播いたらいいかわからない笑。一株から何グラムのゴマが収穫できるのか。そもそも自分たちがどのくらいゴマを使うかわからない。なかったらなかったで済ませることのできるゴマなので、その辺の感覚がまったくありませんでした。

 ということで、とりあえずやってみろの精神で、でも畑のスペースは限られているので5株だけ播いてみることにしました。

 播き穴を掘り、適当に4,5粒播きます。土をかぶせておしまい。なんて簡単。これが6月1日のことでした。梅雨入り前でかなり暖かい日が続いていました。

 5日後、特に水やりもしていませんでしたが勝手に発芽してきました。結構発芽率も良かったように思います。

 それから3週間。ほとんどゴマの様子を気にかけていませんでした笑。この頃には本葉も出てきて、高さ10cmほどに育っていました。虫がついている様子もありません。同じ時期に播いてあったチンゲンサイやルタバガはアブラムシなどがついていましたが、ゴマはまったく大丈夫でした。

 
 株元がだいぶ込み合ってきていたので、間引きを行い一本立ちにしました。この間引いた苗が結構立派で捨てるのも忍びなかったので、余っていたスペースにそのまま挿しておきました。
 すると、5日ほどであっさり根付きました。特に水遣りをしっかり行ったわけではありませんので、挿し木しやすいのかもしれません。

ゴマの栽培記録②

 そうこうしているうちに梅雨がきて、雨であまり畑に入れない時期が続きました。その間にもゴマはぐんぐん生長して、30cmほどになっていました。この頃からわき芽が2本出てきていました。

 ほかの野菜の世話で忙しく、ほとんどゴマは放置していました。毎回、様子を見ては「大きくなったなぁ」と思い、声をかけてあげるだけ。

 梅雨も真っ只中、ついにゴマが開花を始めました。ゴマの花は白くて小さく可愛らしい。花が咲き終わると、数日後に緑色の鞘がつきます。この中にゴマが入っているのです。ゴマはこの鞘の中の種というわけですね。栄養満点なのも頷けます。

 次々に花を咲かせては、鞘をつけるゴマ。その勢いはとどまることを知らず、気づけば幹にびっしりと鞘がついていました。この一つ一つにゴマが詰まっています。背丈も150cmとかなり高くなっています。

 梅雨が明けて、真夏がやってきて、お盆も終わり、秋の訪れを感じられるようになっても花を咲かせ続けるゴマ。これでは鞘が成熟しないのでは、と思い、思いきって生長点を摘心してしまうことにしました。

ゴマの収穫! そして脱穀作業は…

 まだまだ鞘が青いものもあったのですが、思い切って収穫してしまうことに。茎ごと刈り取って、たまねぎネットに入れて乾燥させます。右側がゴマ、左側のものはコリアンダー(パクチーの種)です。こちらもいい香りのスパイスです。

 乾いてくると、鞘が茶色になり割れてきます。こうなったら地面にたたきつけたり、棒でたたいたりしてゴマを鞘からはずして行きます。そして、ごみとゴマを分離したら完成です。まだ乾ききっていないのでこの作業は後日行います!

ゴマを育ててみて。

 実際に栽培してみて、ゴマはとても育てやすいと思いました。虫もほとんどつかず、ちょっと肥料を入れてあげればたくさん花が咲きます。

 何より、国内自給率0.1%の食べ物を自分で作って、食べられるということの幸せ。これだけでもゴマを栽培してみる価値があると思います。

 もう少し乾燥させればゴマとして食べられるようになると思うので、味などの感想はそのときにしようと思います!

 ぜひご自宅の庭や畑でゴマ栽培に挑戦してみてください!

野菜の販売、始めました! 軽井沢にて。

 今年から畑で野菜を栽培し始めた私たち。もともとは自給用の野菜を作ることが目的なのですが、思いのほか順調に野菜が育って、とても美味しいものが毎日採れています。

 自分たちの食べるものは自分たちの手で、という思いからはじめた畑でしたが、心の中にほかの人にも自分の作った野菜を食べてほしい、届けたい、という思いもありました。少しずつ規模を大きくして、いずれは販売していきたいと考えていました。普段はあまり見かけない野菜を、ベストな状態で、新鮮さを保って届けたらなと。

 ありがたいことにその機会をいただけましたので、少量ではありますが販売を始めました!

 私たちの野菜を取り扱ってくださるのは、軽井沢チャーチストリート内の「yoito」という生活道具と珈琲を取り扱う雑貨屋さんです。素敵な一点ものや作家ものにこだわった食器や生活雑貨がたくさん並んでいます。

 こちらのお店で、今年の春からアルバイトさせていただいています。こちらの店長の方から野菜を販売する提案をいただき、ズッキーニとミニトマトを置かせてもらっています!

 今はズッキーニとミニトマトだけですが、秋に入れば大根、人参なども販売できればと考えています。そして、来年はもっともっと増やせればなと思っています。

 yoitoが入っている軽井沢チャーチストリートは旧軽井沢の銀座通りにあり、ほかにも魅力的なお店がたくさんあります。夏の観光地として有名な軽井沢にお越しの際はぜひお立ち寄りください!

 毎週月曜日と木曜日は、私自らお店に立っていますので、直接お話できたら嬉しいです。

 

 野菜を販売する以上、テキトーなものは出せません。これまで以上にがんばって畑仕事に挑もうと思います!

 

たまねぎの栽培準備

 普段からお世話になっている方のご好意で使っていない畑を使わせてもらえることになりました。今年使わせていただいている畑だけでは、作りたいものが多すぎて作りきれていないので、すごく嬉しいご提案で助かりました。

 この畑では、たまねぎとにんにくをこの秋から作ってみようと思います。私たちの食生活ではどちらも消費量の多い野菜なので、作ってみようと思ったわけです。(たまねぎは毎回一度に10kg買ってきています笑)

 夏の間雑草が伸び放題だったようで、一度二度ほど草刈機で草刈をしただけの様子。一度起こすことも考えましたが、どうせなら完全不耕起で栽培してみようと思います。

 とりあえず市販のたまねぎの種一袋分でやってみようと思い、ざっと畝を立ててみました。マルチには銀ネズの9515(巾95cm、15cm間隔で穴があいている)マルチを使用しました。土がふかふかで作業しやすい。そして、表層に近いところでミミズを何匹も目撃。結構いい土になっていると期待できます。

 その横に育苗用の小さい畝を立てました。ここに種を播いて、育苗してから先ほどの本畝に植え付けします。

 ここまでが先々週あたりまでの話。

 さて、このあたりだと10月中旬~下旬にたまねぎの苗を植えつけるのが良いようです。たまねぎ栽培の肝は植えつける苗の大きさ。大きすぎたり小さすぎたりすると、春先にトウ立ち(花が咲くこと)や生育不良になってよいたまねぎが採れなくなります。

 大体育苗は55~60日ほどかけ、鉛筆の太さほどの苗を作るのが理想的。なので植え付け予定日から種まきの日を逆算し、8月20日頃に種まきを予定していました。

 しかし、ちょうどその頃は梅雨明けから雨がまったく降らずしかも最高気温も35度付近の日が続き、種まきには良くない日が続いていました。今年は例年にない異常気象ということもあり、種まきが早すぎて残暑のせいで苗が育ちすぎてもいやだなということもあり、どうしようかと迷っていました。

 すると、先日の記事に書いたように猛烈な大雨が降りました。畑的にはダメージのほうが大きかったのですが、種まき的にはありがたい雨でした。数日待って土の水分がだいぶ馴染んだので、8月25日に種まきをしてきました。ちょうど暑さも収まり、30度前後の日が続き、週間予報も雨マークがところどころあったので、ベストだったと思います。

 棒で播きすじを作り、深さを一定にします。そこに種同士が重ならないようにパラパラと播いていきます。これは間引きの手間を少なくするためと種の節約のためです。品種は中晩生(梅雨入り前、6月頃に採れる)の「泉州黄たまねぎ」にしました。

 ここまで問題なく進んでいたかのように思えたのですが、なんと種が二割ほど余りました。育苗用の畝が小さすぎたようです。これは来年に生かそうと思います。たまねぎは芽が少なかったからといって、追加で種まきしても難しいです。苗の大きさがそろっていないと、来春の生育に大きな影響があるからです。試しに本畝の穴数を数えてみたところ240個(一玉300gとしても72kg!!)だったので、おそらく足りると思います。

 軽く鎮圧して、最後に不織布をべたっとかけて水やりをして終了。たまねぎも薄めに播くのですが、雨で表層の土が流れてしまうと困るので保湿と雨よけのためにこのような資材を活用します。

 初めてのたまねぎ栽培でわからないことが多かったのですが、何とか種は播けました。無事発芽するといいなぁ。

晴天一転、猛烈な雨

 ここ半月ほどまとまった雨が降っておらず、雨予報があっても、結局降らずじまいという日々が続いていましたが昨日はしっかりと降りました。十分すぎるほどに。

 直前の雨雲レーダーを見て、降らなそうだと判断して水やりをした直後、猛烈な雨が降ってきました。車に乗っていたのですが、ワイパーを全速力で動かしても前が見にくらいで、体感で50mm/hくらいの雨量はありました。

 翌日畑に行くと、見るも無残な野菜たちの姿が広がっていました。どうやら、雹も降っていたようでトマトやズッキーニ、オクラを中心に葉っぱがずたずたになっていました。周りのレタス農家さんの話では、レタスは半分くらい廃棄になりそうだということでした。

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 さながら台風並みの豪雨だったようで、風を受けて、ゴマが大きく傾いていました。

 ゴマは今年の野菜の中でもかなり簡単で、上手に育ってくれたのでもう収穫してしまうことにしました。まだ少し青いので一度ネットに入れて、乾燥させてからゴマを採ることにします。

 ついでに枯れ始めていたコリアンダーもネットに入れて乾燥させています。

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 幸い、心配していた人参はほとんど被害がなく、むしろしっかり雨をもらったことでさらに発芽していました。写真は撮り忘れてしまったのですが、かなり発芽していました。これからしっかり間引きをしていきます。

 かなり乾燥状態が続き、何とか耐えていた野菜たち。被害はあったものの、恵みの雨をもらいこれからどんどん育ってくれることを期待して、もう少しがんばっていこうと思います。これから台風シーズンなので風対策も少し考えていこうと思います・

夏播き人参/発芽が高難易度

 夏真っ盛りの御代田町ですが、朝晩は少し寒いくらいです。雑草の伸びるスピードもだいぶ落ち、もう秋の足音が迫ってきています。

 この時期になると、収穫以外の畑仕事は秋冬野菜の準備になります。今回は普段の食事でも相乗頻度の高い人参の種まきをしました。発芽が特に難しいといわれる人参ですが、ある一手間を加えることで、発芽率を少しでも高めようとしてみました。

 そもそもなぜ人参が発芽しにくいかというと、理由はいくつかあります。

 まず人参の種が水分を吸収しづらいという点。そして、雨が少ない真夏に播種するため土が乾きやすい点。さらに追い討ちをかけるのが、人参は発芽に光を必要とする好光性種子だということ。これはかぶせる土を薄くしないといけないが、そうすると土が乾きやすくなるので発芽に必要な水分を維持しづらくなるのです。

 とまぁ、ほっといてもちょっと土が湿っていれば発芽するズッキーニと違って、人参はとても手間がかかるのです。しかも、しかも、発芽までの日数も長く7~10日ほどかかるので、それまで土が乾かないようにするのが難しいのです。

 ですが、難しいことばかりではありません。人参は発芽に成功すれば半分以上、栽培に成功したようなものだといわれることがあります。発芽さえすれば、雑草に負けないように草取りだけしてあげれば、比較的楽に収穫までたどり着けます。

 今回はそんな人参の発芽を手助けする資材として籾殻を使ってみました。コイン精米所が近くにあればいくらでもただで手に入る、けどさまざまな使い道がある有用資材です。

 まずは普通に人参の種をまきます。選んだ人参はこちら、「黒田五寸」です。比較的初心者でも作りやすいと紹介されていたのでこれを選んでみました。しっかりと叩いて畝を鎮圧し、棒を使って均一の深さでまき溝をつけます。こうすることで、かぶせる土の厚みを一定にでき、発芽がそろいやすくなります。

 そして、ここで籾殻の登場。土を薄くかけた上から、ぱらぱらを薄く、でもしっかりと地面を覆うように籾殻をまきます。こうすることで、土の水分を蒸発させにくくさせ、雨や水やりで表面の土が流れないようにカバーする効果が期待できます。

 そして、水やりをすること1週間。人参が発芽してきました。今は1/3ほどが出てきて、この後数日でもう少しそろいそうです。小さな芽がとてもかわいい。なかなか発芽の兆しが見えず、心配でしたが安心しました。

 ここまでが今日の夕方までの様子。その後、天気予報どおり、雨が降ってきました。実に20日ぶりの雨です。あれよあれよと、土砂降りになってしまいました。車のワイパーも最高速度で動かさないと前がみえないくらいでした。

 確かに雨が降ってほしかったけど、ちょっと強すぎる! からからに渇いた畑で何とか生きている野菜たちには恵みの雨ですが、発芽し始めた人参には厳しい洗礼です。この雨で土が流れてしまっていないことを祈ります。

 明日の畑の様子が心配ですが、久しぶりに涼しい夜を過ごせそうです。