落ち葉堆肥の作り方 材料は3つだけ!

  気づけば秋も終わり、冬になりました。秋といえば、紅葉ですね。とてもきれいで、季節を感じられる良い季節ですが、残る落ち葉は悩みの種にもなります。

集める前の様子

 毎年毎年大量の落ち葉を片付けるとなると、もううんざりしている人もいるかもしれません。寒い中毎日落ち葉掃除するのはなかなか大変ですよね。何か有効利用できれば掃除し甲斐も出てくるかもしれません。

 実は少し手間をかけるだけで、落ち葉を畑の土壌改良材として活用できます。落ち葉を堆肥化すると、腐葉土のような土壌改良材になります。落ち葉堆肥には土壌生物のえさとなる有機物がふんだんに含まれ、堆肥化過程の中でたくさんの微生物の死骸が積み重なっていきます。これによって、野菜がちゃんと育つ土に変えてくれる手助けをしてくれます。

 

落ち葉堆肥を作る場所を決める

 まずは場所を決めましょう。一度作り始めるとその場に置き続けることになるので慎重に選びます。下がコンクリートではなく土の場所にしましょう。畑や庭があればその片隅がおすすめです。
 もし、スペースがなかったり、コンクリートの場所しかない場合にはプランターやコンポストでも作ることができます。その際は、最初の仕込み時に水分をしっかり調整します。

 場所が決まったら、枠を作ります。枠に使うのは以下の材料です。
・ベニヤ板(プラスチックダンボールなどもおすすめ)
・杭(垂木でも可。木製ではなく、樹脂性にすると朽ちることがなく経済的)
(・釘)
・ブルーシート(上からかぶせて雨がかからないようにするため)

 10坪ほどの庭であれば市販のコンポスト容器で十分です。一反歩ほどの畑なら2畳×60cmほどの枠二つ分といったところでしょうか。

 昨年作った落ち葉堆肥は2畳×60cmの枠に半分ほどの分量で、できあがりは300kgほどでした。これは市販の腐葉土(20kg入り)15袋分になります。こう考えるとかなりの量ですよね。

【ベニヤ板などを使って枠を作る場合のポイント】
1. 板の下部15cmほどを地面に埋める
2. 杭を枠の外側8点に打つ(堆肥によって外側に押し出されるため)
3. 天板もあると便利

私たちが作成した枠(1800×1800×75)

落ち葉堆肥に必要な材料を集める

 落ち葉堆肥の作り方はさまざまで、それによって使う材料も変わってきます。今回は最もシンプルな作り方をご紹介します。私たちも今年はこの方法で仕込みました。

・落ち葉
・ぬか
・水

 必要なのはこれだけです。簡単ですよね。

 さらに鶏糞や油粕を加えることでより発酵を促進させたり、肥料成分を加えることもあります。少し温度管理の難易度が上がるのでまずは普通に作ることをおすすめします。勝手がわかってきたら自分の好みの成分になるように調整していくのがいいでしょう。

 落ち葉はいたるところで手に入ります。自宅の庭に木があって、落ち葉を片付けないといけない人はそのまま堆肥作りに利用できます。もし、身近になくてもご近所さんや公園など落ち葉があって困っている人に声をかけてみましょう。喜んで分けてくれる人がいるはずです。公共施設から集める場合は必ず事前に管理者の許可を得ましょう。

 落ち葉には木によって堆肥にしやすい種類としにくい種類があります。できる限り分解しやすいものを選びましょう。ですがあまり神経質になることはありません。少し混ざってしまうくらいなら、仕込み後の世話を少し増やすことで対応できます。

【堆肥化に向く種類】
・ケヤキ、ヌクギ、ナラなど(かさかさしている)
【堆肥化に向かない種類】
・クスノキ、モチノキ、イチョウなど(光沢がある、水分が多い、固い)

 米ぬかは発酵促進材として使用します。コイン精米所で無料持ち帰りができるところを探しましょう。近くにない場合は店内精米をしているお米屋さんで無料もしくは安価で購入できます(200円/1kgほど。1kgで5kg米袋くらいあります)。ホームセンターやネットショップでも取り扱いがありますが、その際は「炒りぬか」ではなく「生ぬか」を選びましょう。加熱されたものは微生物が減り、発酵がうまく進みません。

 水は水道があれば便利です。水道水には塩素が入っているため発酵が妨げられるという意見もありますが、そこまで気にしなくても大丈夫です。ない場合でも20Lのポリタンクに汲んでいくことでなんとかなります。

落ち葉堆肥の手順/完成までの期間

 落ち葉堆肥の作り方は、どの規模、サイズで行っても次のような手順です。

【STEP1】
落ち葉を入れる

躍動感あふれる


【STEP2】
水をまく

一度にたくさん撒きすぎないこと


【STEP3】
踏みしめる
→足踏みを繰り返すのではなく、狭い範囲をゆするように固めていく
【STEP4】
ぬかを振り掛ける

満遍なく振る

 これを容器が満タンになるまで、材料が足りる限り繰り返します。後は雨が入らないようにブルーシートやふたで覆って完成です。

【翌日以降のチェックポイント】
 この後、冬の間はそのまま寝かせておきます。適切な水分があって、ぬかをまいてあれば多少霜が降りるような寒さでも、翌々日には発熱してきます。そうなれば一安心。しっかり発酵が始まり分解されていきます。
 もし、数日たっても熱が上がらないようなら一度蓋をあけて様子を見ます。このとき落ち葉が乾きすぎているなと感じたら、少しずつ水をかけます。その後、もう一度足で踏んで固めます。たいてい、水分が足りていないか、隙間が多いことが原因であることが多いので、この作業でうまくいくはずです。

2日目の様子。手を入れるとすでに温かい

【STEP5】
 重要な作業の切り返しを行います。 
 春になって気温が上がってきたら、「切り返し」の時期です。一冬越えると分解が進んで、落ち葉の形が崩れてきているのがわかります。また、発熱していたので水分もだいぶ減っています。
 地面に近い落ち葉ほど、土壌生物の力も借りて分解が進んでいるので、すべて出してもう一度きれいに詰めなおします。こうすることで、分解が遅い部分と早い部分が均一になります。もし、水分が足りてないなと感じたら少し足します。

切り返しの様子


 詰めなおしたときには最初より大分嵩が減っているのがわかるかと思います。切り返しは1,2ヶ月に一回も行えば、十分すぎるほどです。定期的にすれば秋の初めにはほとんど熟しきった堆肥になっています。もし、手間をかけられない場合でも一度はやっておきましょう。時間はかかりますが、使えるレベルまで分解が進むはずです。

自分で作って、土作りに活用しよう

 落ち葉堆肥は腐葉土と同じように土壌の改善に役立ちます。土壌微生物のえさとなり、生き物たっぷりの土作りに活用できます。

 落ち葉堆肥や腐葉土はホームセンターなどでも販売されています。少量なら15L入り一袋で1400-2000円ほどで購入できます。1aあたり10袋ほど施用するのが上限なので1万円近い出費となります。もっと広い面積に使う場合は10万円単位のお金がかかります。

 落ち葉堆肥を自作して、ごみになるものを有効利用し、経済的に畑をよくしていきましょう!

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