この大根のお名前は?
8月頭に種まきした長野県在来種の信州地大根。どうやら信州地大根といっても、実はいろいろ品種があるようで、松本の切葉地大根や坂城町のねずみ大根などいろいろでした。今回栽培したのは、いまいちどの品種かはわかりませんでした。メーカーに問い合わせておきます。(種採りしてオリジナル品種にしてしまおう)
発芽してから約90日が経過し、だいぶ育ってきたので収穫してみました。
地上部は葉っぱが茂り、もさもさになりました。虫の食害は見られるものの、株ごとやられてしまうような大きな被害にはなっていません。この畑は青虫が結構いたのですが、大根にはあまりついていませんでした。多いのはカメムシと、黒い米粒より小さい羽虫でした。
途中10月頭の段階で、地上にせり出している根茎は割れているものが見られました。もしかしたら、この時点で収穫時を逃していたのかもしれません。
全13本を引っこ抜いて並べる
夏に蒔いた大根は13株。1本の畝に二条播きして、ずらし栽培しようと思っていたのですが、二条目は最初に播いた株が育ち、日陰になってしまったのであまり成長していません。
とりあえず、13本を引っこ抜いてみます。見ると、地中に埋まっていた部分のお尻がほとんど割れてしまっています。やはり収穫が遅かったようです。サイズごとに並べたのが次の写真です。
一番小さいので15cm、大きいものは大人の前腕以上のサイズがあります。固定種は生育にばらつきがあるのが普通ですがここまでばらけるは思っていませんでした。ほとんどお尻が割れており、きれいにできたのはほんの一部になってしまいました。
もちろん種採りにも挑戦!
アブラナ科の野菜は大根以外にも育てていましたが、種採りはしていなかったので試しにやってみることにしました。大根なんてどのように種がつくのか見たことありませんよね。一回くらい、花が咲いた大根の姿を拝んでみたいと思いませんか?
今回栽培した感想としては、ずいぶんサイズに違いが出るな、と思いました。自家採種は自分のほしい性質を持った一群を作って、そこから採種をすることで好みの性質を持った品種に作りあげていくことができます。今年育った大根たちから、サイズの近い、比較的きれいな一群を選び出せば、その種は少しばらつきが少なくなるはずです!
大根は少数の母本(親となる株)から種採りを繰り返すと、近交弱勢という現象が起こります。これは品種の力を落とすことになるので最低でも20本の親を用意する必要があります。が、今回は数が少ないので6本だけ用意しました。来年以降はもっと増やして、種が弱くならないようにしたいと思います。
葉っぱを落とし、日が当たりやすいように少し斜めにして植えなおします。根っこが寒さにあたると、腐ってしまうので白い部分が確実に見えない深さに植えます。
これで種採り栽培の準備はおしまいです。翌春になると、新しい葉っぱが出てき始め、花が咲きます。その花に大根の種がつくはずです! 複数の品種の大根を同時に種採りする場合は交雑を防ぐ必要がありますが、一品種なら大丈夫です。たぶん近くの人が種採りをしていることはなかなかないでしょうから。
肝心の味は?
かなり不恰好な姿に育った信州地大根。その味はどうでしょうか?
とりあえず生でかじってみます。ピリッとした辛味があり、ぱりぱり食感でした。歯ごたえはすごくいいです。
次にお味噌汁に入れて、加熱してみました。香りは大根の良い香りで、食感がなんとジャガイモに近い、ホクホクとした感じになりました。これは驚きです。普通の大根のとろけるようなほぐれる食感とは違って、ホクホクしています。加熱用にはあまり向かないのかもしれません。
生の食感がいいので、糠漬け(去年から始めた2年目の若床)にしてみました。漬けること2日。いい感じに漬かったものを食べてみると、ぱりっぱり! 多少水分が抜けてもぱりぱり感はさすがでした。
これは漬物向きの大根かも、と思っていたら、種袋に漬物に最適と書いてありました(笑)。そこで沢庵漬けを手作りしてみることに。その製作過程はまたご紹介します。残りは切り干し大根にして保存できるようにしてみます。