昨年から作っていた落ち葉堆肥を早速畑に使ってみました。今シーズン、ミニトマトを栽培していた畝に使いました、
今回はその様子をご紹介します。この作業が来年の畑の状態に少なからず良い影響を与えると思います。
畝は炭素が消費された状態になっている
今年通路には雑草をはやしていましたが、畝にはビニールマルチを張っていたため雑草が生えていませんでした。一年間かけて、通路部分にはそれなりの炭素(=炭水化物、土壌生物のえさ)が供給されました。不耕起栽培ではこの土壌表層への炭素の蓄積が重要なメリットになります。
不耕起栽培では表層への炭素の蓄積による土壌生物の活性化、生物量の増加が野菜の生育に良い影響を与えていると考えられています。通常の耕起する栽培では、どれだけ雑草を生やそうと、堆肥を撒こうと、かき混ぜられることで表層でも地中でも炭素の割合は均一になってしまいます。不耕起栽培で減農薬や無農薬が達成できるのは、表層の高い炭素率のおかげかもしれません。
ところがマルチをしていた畝部分には草が生えていないので炭素供給はほぼありません。一応、栽培していたミニトマトの残渣はそのまま残してあるので、根は土壌に還元されます。根は植物が光合成して得た炭水化物なので、外部からの炭素補給になります。
来年以降、マルチもなるべく使わない栽培をしていくつもりなので、とりあえず畝の部分には外部から炭素を供給することにします。その供給源が作成した落ち葉堆肥です。
落ち葉堆肥を施す
まずは畝を覆っているマルチをはがします。全部ははがさず、片側だけはぎました。
次に落ち葉堆肥を畝の上に撒きます。わかりにくいかもしれませんが、少し茶色の土が落ち葉堆肥です。見たところ、落ち葉の形は残っておらず、かなり分解が進んでいます。20mの畝に大体60Lくらい撒きました。堆肥の厚さが2-3cmくらいになっていました。
レーキを使って、土と落ち葉堆肥を軽く混ぜ合わせます。できるだけ土をかき混ぜないように、やさしく作業します。レーキで引っかいていると、ミニトマトの細かい根がたくさん出てきました。きっと地中には細かい根が血管のように張り巡らされているのでしょう。そして、その根が分解されて土壌構造ができていきます。(これはバイオポアやスポンジ構造と呼ばれたりします。不耕起でも排水性を維持できる秘訣です)
混ぜ終わったら、残しておいたマルチを再度かけなおします。固定にはこのようなマルチ押さえを使用しました。
マルチがせっかくあるので最大限活用します。できるだけ土を太陽や霜に当てたくないのと、雨が降って大量の水が土に当たるのを防ぐためです。また、適度に水分が保たれるので、施した堆肥をさらに土壌生物が分解し、土壌構造が発達します。
11月は落ち葉堆肥を仕込む季節
昨年仕込んだ落ち葉堆肥はほとんど使ってしまいました。11月も半ばに入り、ところどころで落ち葉がたくさん出てきました。また落ち葉を集めて堆肥作りをしたいと思います。
落ち葉は毎年、大量に地上に落ちてきます。もちろん、落ち葉はもともと付いていた樹のものであり、外(つまり畑)に持ち出しすぎると、その土地の地力を損ない環境を変えてしまうこともあります。ですが、少しそれを分けてもらうくらいであれば大丈夫だと思います。公園や一般家庭の庭木などから出た落ち葉はごみとして処分しなければならない場合も多いです。そういったところからもらってくればwin-winなのではないでしょうか。
自然の力を少し借りて、コスト、負荷の少ない農業にしたいですね。