【固定種・在来種】自家採種できる野菜の種が手に入る場所【海外品種】

 家庭菜園や小規模な畑で野菜を作っていると、野菜にはいろんな種類があり、それぞれにたくさんの品種があることが分かる。どんな野菜を育てようか、毎年冬の間に考えて、種の準備をするのも畑仕事の醍醐味だろう。
 最近ではホームセンターの園芸コーナーはもちろん、スーパー、100円ショップでも野菜の種が売られていることがある。インターネットショップも数多くあり、園芸店や種苗店のオンラインショップがたくさんある。

 大型店、園芸コーナーでは、メーカーの一押し品種だったり、農家でも作られているような質の良い一般的な品種が多く扱われている。ホームセンターに行くと、どこにいっても似たような品種の種ばかり並んでいる。

 自分で畑をやっていると普通には手に入らないような珍しい野菜だったり、品種を栽培したくなってくる。そこらのスーパーや直売所では売っていない野菜でも自分で種を買えば、何でも作ることが出来る。
 そうしたときにいつも種を買っている場所によっては、なかなかお目当ての野菜の種が手に入らないことが多い。

 特に自家採種をして、種を自分で用意したい人は家庭菜園愛好家にも多いと思うが、多くの品種は自家採種がしにくい交配種が主だ。

 そこで固定種や在来種のような、あまり売られていない品種を買うときに利用してる場所を紹介しようと思う。

地域ごとの種苗店

 古くからその地域にある種苗店に行ってみるのもおすすめ。私たちが住む長野県佐久地域なら、佐久市の嶋屋種苗、小諸市の小山種苗、上田市の樋口種苗などがある。地元の家庭菜園家や農家が昔から利用しているお店であることが多い。

 種苗専門店なだけあって、量販店やホームセンターではあまり扱っていない品種も多く扱われている。また各種苗メーカーのカタログがあり、欲しい品種があれば直接取り寄せてくれるため相談してみる。

 お店の人やお客さんから得られる情報もあるためお住まいの地域の種苗店を探してみて欲しい。

野口種苗研究所

 埼玉県飯能市にある野口種苗研究所には、今やほとんど流通していない固定種、在来種の種が多く取り扱われている。店主の野口勲さんは手塚治の「火の鳥」編集者であり、家庭菜園における固定種の種の重要性、良さを熱心に取り上げて下さっている。
 かなり豊富なラインナップでここでしか入手できない固定種・在来種の種も多い。オンラインショップもあり、全国から購入できる。
 ホームページには野口さんが綴った「野菜の話し」やその他野菜栽培に関する読み物が数多く記録されている。一度読んでみることをおすすめする。

高木農園・つる新種苗

 どちらも長野県松本市の種屋さん。固定種の種や、一般野菜でも普段は見かけない品種も取り扱いがある。オンラインで購入できる。

  つる新種苗は自然菜園家として知られる竹内孝功さんが考案した「自然菜園緑緑肥mix」を取り扱っている。この緑肥の種は実際に使ったことがあるが、長い期間草が生えてくれて、草マルチやグラウンドカバーとしてとても便利だった。また、おそらく竹内さん採種と思われる自然菜園採種の野菜の種が販売されている。

自然農法国際研究開発センター

 長野県安曇野市にある当センターは、自然農法による農業生産を研究している。新規就農者向けの研修や、試験栽培のほかに、自然農法向けの品種改良・開発もおこなっている。
 自然農法センターの品種は種とりの元となる固定種と、一般栽培用の交配種、また自然育種によって生まれた品種もある。交配種は種採りできないが、固定種も多く取り扱われている。ここで育種などを長年務められた中川原敏雄さんが書いた自家採種に関する書籍も多い。

 どの品種にも共通して言えるのは低(無)肥料、草生栽培下で本来の力を発揮する点。自然栽培や低肥料栽培を実践する人にとってはおすすめの品種が多い。また、珍しい固定種のトマトも扱っている。

→https://www.infrc.or.jp/

青空マルシェ

ホームページ→https://www.marcheaozora.com/
 オンラインショップで世界中から集まる非常に珍しい品種の種が入手できる。
 他の種苗店ではまず扱っていない野菜が多く、珍しいものを栽培したい場合はこのお店を見ると良い。
 トマトを例にとっても、10種類以上の品種がある。世界各地でエアルーム品種として栽培されているものもある。
 ネット上のレビューを見ると、届いた種を栽培したら注文したものを異なるものが育ったり、そもそも発芽しなかったりという声がいくつか見られる。信頼度が少し劣るが、やはり珍しさはピカイチである。

無農薬・無化学肥料のたねの店 たねの森

 たねの森では、無農薬・無化学肥料で栽培、採種された野菜の種が入手できる。採種栽培において、無農薬・無化学肥料栽培が明記されている種は数少ないため、こだわる人にはありがたい。
 多くの品種がそれぞれの地域で長く栽培されてきたエアルーム種で、種採りが推奨されている。理念には共感できるものがあり、こちらも一度目を通してもらいたい。

その他、インターネットショップを持っている種苗店などで固定種や自然栽培採種品などの文言に注目していればいくつか自家採種可能な種を手に入れることができる。

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