2020年ミニトマトの自家採種 採種方法と発芽チェック 

 ついに、今年初めての霜が降りました。よりいっそう冬に近づいた感じがします。 

 10月半ばからゆっくり、ミニトマトのアーチの片付けをしていました。さすがに10度を下回ると、味もかなり落ちて、樹も弱って見えました。ひと夏かけて、じっくり茂らせた葉は翌年以降の養分となります。この生命の循環を大切にしたいです。

 先日ミニトマトの種採りを行いました。本来であれば、樹勢の強い時期(第2-3花房くらい)に行うのが良いのですが、種採りをするか迷っているうちに収穫が進み、残るのは数日前に完熟状態で収穫したもののみになってしまいました。

 というのも、私たちが今年栽培した、ロッソナポリタンという品種はF1(交配)種なのです。F1種から種採りをすると、次世代となるF2では性質が大きくばらけます。つまり、採れた種の遺伝子はみんなちがってみんないい状態になります。
 すると、おいしくなかったり、病気に弱くなったり、実の大きさが変わったりする可能性もあります。このミニトマトは私たちが一番力を入れている品種なので、品質がバラけると困るなと思っていました。

 ですが、せっかくならやってみよう! ということで実際にやってみました。実際のところF2世代の種から育ったトマトがどれほど変化するのか気になったというのもあります。また、種採りをするメリットのひとつ、環境に適応して育てやすくなる、という現象が本当に起こるのか早く確認してみたかったのも大きな理由です。そして、お金もかからないし、とにかくやってみないと始まらないとも思いました。
 来年、性質がバラけたら、おいしい実をつける株、元気に生育している株からまた種採りえをすればいいだけです。

 さらに、私たちが種採りをする際に参考にしている書籍、「種取りのコツのコツ(農文協)」という本に中にF1トマトから選抜、種採りを続け、大玉、中玉、ミニの3品種を固定したという記載がありました。この品種から中玉や調理用の品種がとれるかもしれません。

種採りをするときの注意点

!種採りをする際に注意しておくことがあります!

 それはその品種が種取りを許可されている品種であるかどうかを確認することです。品種は「登録品種」と「未登録品種(農林水産省は一般品種と呼んでいる)」の二つに分けられます。登録品種は「育成権」が認められています。これは音楽や絵画などにおける著作権に同等する権利です。

 そのため登録品種の採種や採取した種の再販は禁じられています。また、自家採種した種(これも違反ですが)から収穫した作物の販売、譲渡も禁じられています。営利目的でない、家庭菜園であれば、自家消費に限り採種が認められています。

 品種登録のない、一般品種は自家採種が認められており、採種した種自体もその種からの収穫物どちらも販売、譲渡可能です。

 そもそも品目によっては品種に関わらず自家採種、わき芽挿しのような「自家増殖」が禁止されている場合があります。

 今回種採りをしようと思っている「ロッソナポリタン」(パイオニアエコサイエンス)は登録品種ではないので採種可能です。こちらのページから検索できるため、自家採種をお考えの方は一度調べてみてください。

 

ミニトマトの種採りの仕方

 ミニトマトの種採りは非常に簡単です。なぜなら食べるために育てた実からすぐに種を採れるからです。赤くなった実は種が成熟しているので採種果を簡単に手に入れられます。

 品種によりますが収穫した実を使えば大丈夫です。さらに常温で1週間ほど追熟させればさらに安心です。少しやわらかくなってきたくらいのほうが簡単に種が採れます。

 用意するのは、手ごろな大きさのビンと、包丁、中身をくりぬくためのスプーンやバターナイフです。ビンの大きさは、採る種の量によって変わります。小さすぎると発酵させているときにあふれて大変なことになるので注意が必要です。

 実を半分に切って、

201009 半分にしたところ
半分に切る

 種を包むゼリーごと掻きだします

201009 掻き出すところ-2
ゼリーごと種を搔き出す

 この状態で常温で3日ほど発酵させます。こうすることでただ洗うよりも、種を包むゼリーを取り除きやすくなります。

 発酵してきたら(けっこう匂います)、水でしっかりと洗います。ここでゼリー質が残るとかびる原因になるのでちゃんと洗います。今回は排水溝のごみネットを使用しました。

 水洗い後は天日干しで2-3日ほど乾燥させます。今回は晴天の予報がなかったので布団乾燥機とビンを組み合わせて、徹底的に風乾させました。

201012 ネットで洗ったところ
乾燥させる

 写真ではわかりにくいですが、自家採種したものは種の表面にうっすらと毛が生えています。今年購入した種はつるっとしていたので、市販品は調整の段階で毛がなくなってしまうのかもしれません。

ちゃんと発芽するかテストしてみる

 種が採れたら、ちゃんと発芽するのかどうか確かめます。やり方は簡単で、食品トレイにぬらしたキッチンペーパーを敷き、その上に種を置くだけです。上からラップをして乾かないようにしたら暖かい部屋においておきます(最低でも20℃以上)。このまま5日ほど置いておくと、発芽するはずです。

201012 発芽試験

 5日目、種を確認してみると、20粒中15粒が発芽していました。発芽率は75%ほどで市販品とほぼ変わりません。

 ひとまず、種としてはちゃんと機能しているようです。あとは来年栽培してみて、といった感じです。同じトマトでも品種によって葉っぱの様子も変わってくるので、丁寧に観察してみようと思います。

にんにくの植え付けをしました

 先日のたまねぎに続き、にんにくも植えつけてきました。

 にんにくほど、日々の料理の縁の下の力持ちが似合う野菜はいませんよね。私たちも毎日一欠けは必ず使っている気がします。特にぺペロンチーノはにんにくが必須! おいしいにんにくがあれば、間違いありません。

 そんなにんにくですが、スーパーにいくと中国産と青森産、最近はスペイン産と並んでいますが、大きさや値段はかなり違います。青森県産のにんにくは国産の7割ほどを占めていて、大きな6片の「ホワイト6片」という品種になります。値段も1球400円ほどとなかなかの高級品です。一方、中国産はどなたも一度は買われたことがあると思いますが、3球100円以下と、こちらはすごく安価。一球一球も小さいです。スペイン産は青森産ほどのおおきさで1球100-200円ほど。ちょうど、青森産と中国産の真ん中の味や価格ではないでしょうか。

 違うのは値段や大きさだけでありません。においと味や食感に大きな差があると思います。

 青森産はにんにくの良い香りで、火を通すとほくほくとした食感になります。一方、中国産のものは、いわゆるにんにく臭いといった感じ。味も少し味気ない気がします。

どっちも育ててみよう

 栽培する品種はどうしようかと考えたのですが、私たちはとりあえず中国産のにんにくと、青森県産のにんにく、どちらも育ててみることにしました。

 というのも、畑の土や栽培方法によって野菜の味は大きく変わります。もしかしたら、あんまりおいしくない中国産のものもおいしくなるかもしれません。

 しかも、国産のにんにくだけ栽培しようと思ったら、種代にすごいお金がかかります。もちろんたくさん国産を育てたいところですが、今年の植え付け量から見て、種代だけで万は超えてしまいます。そこで国産の「ホワイト6片」は2000円分くらいにして、来年以降の種用に増やすことにします。残りは中国産のにんにくを試験的に育ててみることにします。

にんにくの品種

 にんにくは思ったより種類が豊富で、大きさや香味などが異なります。また栽培する地域によって、品種が大きく分かれてきます。

 国産のものは7割近くが青森県産で、一球に白い大きな麟片が6個つくことから「ホワイト六片」という品種が栽培されています。中でも「福地ホワイト六片」という品種が最高級ブランドとして知られています。にんにくはその品種が開発された地名をとったものが多いです。

 ホワイト六片は青森を中心に栽培される「寒地系」にんにくで、同じ寒地系には「富良野」(北海道の富良野地域)などがあります。

 一方、暖地系の品種もあり、葉にんにくや茎にんにくとして栽培されてことが多いです。有名なものでは、「壱州早生」や「上海早生」などがあります。いずれも、寒地系のホワイト六片よりも香りが劣るものが多いです。

 本来はにんにくではありませんが、一般的にはにんにくとして扱われている品種として、「無臭にんにく」や「ジャンボにんにく」があります。こちらは無臭に近く、より食べやすいにんにくとして知られています。

 スーパーで大量、安価に販売されているにんにくはおそらく暖地系の「上海早生」の嘉定種のものではないかと思います。暖地系なので、冷涼な長野県では栽培しづらいかもしれません。品種による成長の違いが観察できて、良い経験になることを期待します。

植え付け前の一手間で発芽をそろえる

 にんにくの植え付けは簡単で、球になっているにんにくをばらし、麟片にします。これをそのまま地面に植えるだけです。実を覆っている薄皮(むきにくくて料理のときにイラッとする)は剥かなくてもよいそうです。

 ですが、より発芽を揃え、確実に芽を出させる一手間をインターネットで発見したので実際にやってみることにしました。

 それは薄皮まで剥いて、水に浸した後、冷蔵庫で数日おいて根出しをする、というもの。薄皮まで剥くので時間がかかるのですが、かなり発芽がよくなるそうです。

 まずは買ってきた種用にんにくを水につけておきます。今回は2時間ほどさらしておきました。そして、薄皮まで剥いていきます。このとき水につけておかないと薄皮がくっついて、非常に剥きづらいです。傷をつけるとそこから病気が入る原因になるので慎重に剥きます。

 ついてでサイズごとに並べておきます。植えつけるときにサイズ順に並べたほうが、種の大きさが収穫にどう影響するかわかりやすいと思ったからです。

 これを袋にいれて、冷蔵庫に入れて3日待ちました。

植え付けと発芽の様子

 3日後、にんにくの様子を見てみると、根っこが少し出ていました。この根っこを傷つけないように丁寧に植えつけます。

201018 発根している
かわいい根が出てきた

 植えつけるときは押し込まずに、スコップや指で土をどかして穴を開けます。そこにそっと置いて土を寄せます。深さは大体5cmくらいになるようにしました。

201018 植え付けする畝
植え付け完了

 数は青森産「ホワイト六片」が70個ほど、中国産「嘉定種(推定)」が200個ほどです。

ちゃんと発芽してきました!

 植え付けから4日目。にんにくが発芽してきました。普段は保存中に芽が出てしまって、あーあと思うところですが、今回は地面からひょこっとでてきた芽がかわいい。今のところ、中国産のほうが発芽してきており、ほぼ100%発芽しています! 青森産のほうはまだまだこれから、といったところ。

 やはり早生か晩生か、暖地か寒地かで変わってくるのでしょうか?

201024 にんにく発芽
発芽した!

 ここから成長が止まる真冬までに草丈15-20cmくらいになればちょうどいいですが、どのくらい育つのでしょうか?

たまねぎの植え付けをしました

 来年春に収穫するたまねぎの植え付けを行いました。私たちは日常的にたまねぎを料理に使うので、自給自足する野菜の中では優先度が高めです。

 はじめての栽培でしたが、思い切って育苗からやってみることにしました。いろいろ調べながらの栽培でしたが、どうだったのでしょうか。ひとまず定植までたどり着けてよかったです。

たまねぎは苗作りが大切?

 たまねぎは畑に直接種を播いて育てる野菜ではありません。プロ農家も、家庭菜園でも苗を事前に作ってからそれを秋に定植します。

 たまねぎの種は寿命が短く、発芽率も悪いので畑に播いても、ロスが多くなってしまいます。さらに真夏での種まきになるため、水分管理が難しいです。結果、苗を作ることが必要になります。

 苗自体は秋になれば、ホームセンターや種苗店で販売されています。なのでそれを購入して植えつければ簡単に栽培を始められます。しかし、たまねぎ栽培について調べたところ、たまねぎは苗のできで翌年の収穫の質がかなり左右されます。大きすぎる苗だと、春先に腐ったり、トウ立ち(花が咲いてしまうこと)してしまい、収量が落ちます。

 見たところ、市販の苗は大きすぎるように見えます。また、土から抜いた状態で売られているのも気になります。たまねぎは丈夫な作物で簡単に根付くようですが、苗の鮮度が落ちていることは確かです。

 しかも、市販苗は自家育苗と比べて非常に高価です。大体100本/500円くらいするようです。一方、たまねぎの種は、家庭菜園用の小袋が300円ほど、一袋に500粒ほど入っています。なので100本あたり60円ほどしかかかりません。スペースはとりますが、それでも肥料の値段を考慮しても圧倒的に安価です。

 そこで今年は苗から栽培してみることにしました。植え付ける場所の真横で育苗すれば、抜いたばかりの元気な状態で植えつけることができます。

無肥料での苗作り

 真夏の8月25日にたまねぎの種まきを行いました。品種は固定種で、貯蔵性の高い中晩生の「泉州黄たまねぎ」です。今回はそれまで雑草が旺盛に生育していた場所だったため、無肥料で行うことにしました。もし、苗の出来が悪いようなら、来年少し調節しようと思います。

 発芽には1週間ほどかかりました。

200904 苗の様子
発芽してから4日目の様子

 成長がゆっくりで毎日見ていると、ある日突然成長したように感じられます。途中除草を3回ほど行いました。成長が遅いので、雑草に負けないように注意しました。

 ある程度大きくなったころ(5cmくらい)、間引きを行いました。株間を1-1.5cmくらいにします。

200919 苗の様子
発芽後14日目

 9月中頃になると一気に気温が下がって、雑草の伸びが鈍くなりました。一方たまねぎは暑さを乗り切り順調に成長しています。植え付けの日にはこのくらい育っていました。

201013 苗の様子-2
いい感じに育ちました!

 葉先の枯れもなく、少し小ぶりですが元気に育ちました。適正サイズは鉛筆の太さほどといわれていますが、それって結構太いなと思いましたが、どうなんでしょうか。今回は菜ばしくらいの太さに仕上がりました。

植え付け作業の様子。剪定と根きり

 直育苗なので、まずは苗を抜き取ります。かなり根がしっかり張っていて、何本かちぎってしまいました(笑)。根っこが5cmくらい伸びています。

 苗を植えるときに葉っぱはきってしまっても良いそうです。特に育ちすぎた苗では、植えつけるときに絡まってしまい、作業性が落ちたり、土について病気をもらうことがあるようです。今回はマルチ栽培ですが、草丈を揃えました。

 そして、根っこも1cmくらいに切りそろえます。たまねぎは浅く植えるのがポイントですが、根っこが長いと邪魔になります。また、刺激を与えることになり、発根が良くなる効果もあるようです。

 抜いてみると、意外とサイズにばらつきがあったので大中小の3サイズに分けました。ちょうどいいサイズの大が7割ほどで、一番小さいものはお試しで植えてみることにします。

植え付け作業と反省点

 いざ植え付けです。穴あきマルチを使っているので、土をほじって植えるだけです。根の上の白い部分が土に隠れる程度の浅植えにします。どんどん作業を進めて、30分ちょっとで終わりました。

201018 定植完了
植えつけたたまねぎ

 植えられる株数は270くらいありましたが、苗が足りず210株くらいになってしまいました。残った穴にはその後、にんにくを植えつけました。育苗のときからすこし苗が足りないとは思っていましたが、思ったより足りませんでした。

 来年はちゃんと計算して育苗してみようと思います。

 無事植え付けができました。最低でも1週間ほどで根がついて、起き上がってくるはずです。後は年内に一度追肥して、年明けに様子を見てもう2,3回追肥をします。草取りも春になったらやりますが、基本は放置です。

年々いやな雑草ばかり生えてくるようになる理由

 雑草は野菜作りをする上で避けては通れません。現代農業では雑草は厄介者扱いで、除草剤や耕起によってコントロールしようとします。しかし、雑草は見方を変えると健康な野菜作りに非常に有用な資材に変わります。(この話はまた今度したいと思っています)

 基本的には厄介者の雑草ですが、年々生えてくる雑草が変わっていくという現象があるようです。本やインターネットでも、このような報告をされている方が多く見られます。なぜ、生えてくる雑草が変わっていくのか、私なりの仮説があるのでそれをご紹介します。

雑草ってそもそも何?

 雑草と一まとめに語られますが、雑草という植物は存在しません。畑では何か育てたい、メインの植物(トマト、ジャガイモ、など)が作物として「栽培」され、ほかの植物はできればいないほうがいい、どうでもいい植物です。つまり、育てている植物以外を「雑草」としているわけですね。

 具体的にどんな植物が雑草として扱われることが多いのでしょうか。

 たとえば、背丈が100cm以上にもなり木のようになる「アカザ」や、びっしりと根を張る「メヒシバ」、夏にかけて一気に勢力を広げる「スベリヒユ」などは嫌われる雑草として知られています。

 春先に良く見られる「ホトケノザ」、「カラスノエンドウ」などは畑の肥沃さを推測する指標にもなる雑草です。

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ホトケノザ

 道端に生えている「タンポポ」や小さな花がかわいい「オオイヌノフグリ」などももちろん雑草になります。

 前年栽培していたミニトマトが、翌年植えつけていないのに生えてきた「自然生え」ミニトマトは、雑草として扱われます。

嫌われ者の雑草

 とにかく雑草はみんなの嫌われ者です。毎日ちゃんと畑に出ているおじいちゃん、おばあちゃんの畑には雑草のざの字も見えないほど徹底的に抜き取られていることもあります。

 生業として農業をされている農家さんにとっても、雑草は厄介です。暑い真夏に雑草取りをしている姿もよく見られます。作業がどうしても追いつかなくて、除草剤をまいて枯らしていることもあるでしょう。

 なぜ雑草がここまで嫌われるかというと、本来育てたい野菜の生育を邪魔するからです。雑草の生長は早く、ほうっておくと雑草のほうが大きくなってしまった、なんてこともよくあります。いつの間にか雑草に負けて野菜が日陰でくすぶっていることがあります。

 しかも、抜きにくかったり種をいっぱいつけて、抜いても抜いても生えてくる、何年も生え続けます。

 草取りは肉体的にもつらい作業で、いやになってしまうことも多いです。

 ということで、雑草はみんなから嫌われているわけです。

年々いやな雑草ばかり生えてくるようになった

 雑草の中には特にいやなやつがいます。びっしり根を張って抜きにくい「イネ科」の雑草(メヒシバなど)やめちゃくちゃ大きくなる「アカザ」はいやな存在です。これらは葉っぱも硬く、根っこも強く張ります。

 一方、「ハコベ」や「ホトケノザ」のように肥えた土に良く生え、さらに土を肥やしていってくれるいいやつもいます。こういった雑草は大抵抜きやすくて、そこまで大きくならず邪魔になりません。

 最近お世話になっている農家さん(農業歴30年以上)から面白い話を聞きました。いつの間にか、イネ科のいやな雑草ばかりが畑に生えてくるようになったというのです。処理しづらい雑草ばかりで除草剤に頼ることが多くなったと。

 確かに畑を観察してみると、生えている雑草は目立つのは2,3種類くらいでほとんど代わり映えしません。でも、畦(作物が植わっていない、畑の淵)には多種多様な雑草が生えています。

 なぜなんでしょうか。

仮説:「土を耕すと特定の雑草ばかり生える」

 これは私が思いついた仮説の一つです。もしかしたら間違っているかもしれませんので話半分で聞いてください。

 畑は毎年、あたりまえのように耕されますよね。近年はロータリーやプラウといった機械をトラクターに取り付けて効率よく耕されます。

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耕された土

 耕すということは、地中15-30cmくらいまでの土がまきまわされてきれいに均されます。このとき、地中に眠っている雑草の種が表面に出てきます。同時に表面近くにあった種が地下に埋められます。

 耕された土は乾きやすく、天気が良いとすぐに乾いてしまいます。植物の発芽には水は絶対に必要です。新しい種(眠っていた種)が表層に上がってくることとあいまって、しばらくの間雑草が生えてこなくなります。

 こうして犂が開発された数百年前から、耕すことは雑草を抑える手段として世界中で活用されてきました。

 しかし、この後に何が起こるかというと、特定の雑草が生えやすくなると思うのです。なぜなら、耕された後は、発芽がよーいドンで一斉スタートするからです。

 どういうことかというと、雑草ごとに発芽しやすい条件が違うのに、スタートする条件は同じということです。土が耕されると、表面がきれいに均されて、地表の種は地下に眠っていたものに置き換わり、太陽と風にさらされて表面が乾きます。次に雨が降ったときに、均等に地面がぬれて、いっせいに発芽する準備にとりかかります。

 このとき、発芽しやすいものはどんどん発芽していきます。発芽しにくい雑草は土が乾いたらまた発芽できなくなります。そうしているうちに、最初に発芽した雑草がおおきくなって地面を覆っていきます。これが繰り返されて、少ない種類の雑草ばかりが生えていきます。

 土を耕すと、生えてくる雑草が偏る。その雑草が抜きにくかったり、生長が早かったりして邪魔になってしまう。

 これが私の立てた仮説です。

もちろん土の状態によって生える雑草は変わる

 土の状態(肥料成分、pH、温度、もともとの土壌の質)によっても生えてくる雑草の種類は変わります。毎年、土壌の状態はかわっていきますので、これによっても生えてくる雑草は変わっていきます。生えてくる雑草の種類で、大まかな土壌の状態を判断できるみたいです。これはまだ勉強中の部分です。

 長年の連作、除草剤の使用で土壌が多様性を失っているというのも原因になっているかもしれません。

 来年の畑に生えてくる雑草がどう変化していくか、土壌の変化も合わせて見極められるようにしたいと思います。生き物相手で予想通り、理論通りに行かないこともありますが、それもまた面白いところです。また何か気づいたことがあれば記事にできればと思います。

実りの秋。一気に寒くなりました。

 今日は台風の接近に伴って、朝から強い雨が降り続いています。気づけば、10月になってから1週間がたとうとしています。今日みたいな天気の日は外に出ることもできません。畑仕事もひと段落し始め、ブログのネタがなかなか思いつきません。本当は書きたいネタはあるのですが、小難しい話で長くなることもあってなかなか筆が進みません。

 さて、10月も第二週ですが、今年は去年よりも寒くなるのが早い気がします。朝晩はストーブがないと、我が家のアパートは寒くてたまらなくなってきました。つい1か月前までは30℃を越える日が続き、汗をだらだら流しながら畑に出ていました。ですが、もう2,3枚着込まないと畑仕事には厳しい風が吹きます。

 今年は厳冬の予報で、雪も降るみたいですね。私の住む御代田町はほとんど雪が降らないのですが、今年は結構降るのかもしれないと今から憂鬱な気分です。

 冬は畑に出ることが無いので、おのずと時間がたくさんできます。夏の間できなかったことをするチャンスです。今年の冬はDIYとコーヒー焙煎に挑戦したいと思っています。その様子も日記形式で紹介できたらなと思います。

 来シーズンの畑をどうするか考えるのもとても楽しいです。今年は面積が狭いこともあり、作る野菜を搾ったのですが、来年はいろいろな野菜に挑戦したいと思います。畑の多様性はまず野菜から、という感じです。

 試してみたい方法や技術、観察してみたいこともいっぱいあるので本当に楽しみです。持続的で、楽しい農をどこまで実現できるか楽しみです。来年から取り入れようと思っている技術や取り組みもいずれまとめて紹介できればいいなと思います。来年、再来年と続けていくことで結果とともに紹介、普及になればいいなと思います。

 

 それではしばらく続く、実りの秋を楽しみましょう!