たまねぎの栽培準備

 普段からお世話になっている方のご好意で使っていない畑を使わせてもらえることになりました。今年使わせていただいている畑だけでは、作りたいものが多すぎて作りきれていないので、すごく嬉しいご提案で助かりました。

 この畑では、たまねぎとにんにくをこの秋から作ってみようと思います。私たちの食生活ではどちらも消費量の多い野菜なので、作ってみようと思ったわけです。(たまねぎは毎回一度に10kg買ってきています笑)

 夏の間雑草が伸び放題だったようで、一度二度ほど草刈機で草刈をしただけの様子。一度起こすことも考えましたが、どうせなら完全不耕起で栽培してみようと思います。

 とりあえず市販のたまねぎの種一袋分でやってみようと思い、ざっと畝を立ててみました。マルチには銀ネズの9515(巾95cm、15cm間隔で穴があいている)マルチを使用しました。土がふかふかで作業しやすい。そして、表層に近いところでミミズを何匹も目撃。結構いい土になっていると期待できます。

 その横に育苗用の小さい畝を立てました。ここに種を播いて、育苗してから先ほどの本畝に植え付けします。

 ここまでが先々週あたりまでの話。

 さて、このあたりだと10月中旬~下旬にたまねぎの苗を植えつけるのが良いようです。たまねぎ栽培の肝は植えつける苗の大きさ。大きすぎたり小さすぎたりすると、春先にトウ立ち(花が咲くこと)や生育不良になってよいたまねぎが採れなくなります。

 大体育苗は55~60日ほどかけ、鉛筆の太さほどの苗を作るのが理想的。なので植え付け予定日から種まきの日を逆算し、8月20日頃に種まきを予定していました。

 しかし、ちょうどその頃は梅雨明けから雨がまったく降らずしかも最高気温も35度付近の日が続き、種まきには良くない日が続いていました。今年は例年にない異常気象ということもあり、種まきが早すぎて残暑のせいで苗が育ちすぎてもいやだなということもあり、どうしようかと迷っていました。

 すると、先日の記事に書いたように猛烈な大雨が降りました。畑的にはダメージのほうが大きかったのですが、種まき的にはありがたい雨でした。数日待って土の水分がだいぶ馴染んだので、8月25日に種まきをしてきました。ちょうど暑さも収まり、30度前後の日が続き、週間予報も雨マークがところどころあったので、ベストだったと思います。

 棒で播きすじを作り、深さを一定にします。そこに種同士が重ならないようにパラパラと播いていきます。これは間引きの手間を少なくするためと種の節約のためです。品種は中晩生(梅雨入り前、6月頃に採れる)の「泉州黄たまねぎ」にしました。

 ここまで問題なく進んでいたかのように思えたのですが、なんと種が二割ほど余りました。育苗用の畝が小さすぎたようです。これは来年に生かそうと思います。たまねぎは芽が少なかったからといって、追加で種まきしても難しいです。苗の大きさがそろっていないと、来春の生育に大きな影響があるからです。試しに本畝の穴数を数えてみたところ240個(一玉300gとしても72kg!!)だったので、おそらく足りると思います。

 軽く鎮圧して、最後に不織布をべたっとかけて水やりをして終了。たまねぎも薄めに播くのですが、雨で表層の土が流れてしまうと困るので保湿と雨よけのためにこのような資材を活用します。

 初めてのたまねぎ栽培でわからないことが多かったのですが、何とか種は播けました。無事発芽するといいなぁ。

晴天一転、猛烈な雨

 ここ半月ほどまとまった雨が降っておらず、雨予報があっても、結局降らずじまいという日々が続いていましたが昨日はしっかりと降りました。十分すぎるほどに。

 直前の雨雲レーダーを見て、降らなそうだと判断して水やりをした直後、猛烈な雨が降ってきました。車に乗っていたのですが、ワイパーを全速力で動かしても前が見にくらいで、体感で50mm/hくらいの雨量はありました。

 翌日畑に行くと、見るも無残な野菜たちの姿が広がっていました。どうやら、雹も降っていたようでトマトやズッキーニ、オクラを中心に葉っぱがずたずたになっていました。周りのレタス農家さんの話では、レタスは半分くらい廃棄になりそうだということでした。

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 さながら台風並みの豪雨だったようで、風を受けて、ゴマが大きく傾いていました。

 ゴマは今年の野菜の中でもかなり簡単で、上手に育ってくれたのでもう収穫してしまうことにしました。まだ少し青いので一度ネットに入れて、乾燥させてからゴマを採ることにします。

 ついでに枯れ始めていたコリアンダーもネットに入れて乾燥させています。

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 幸い、心配していた人参はほとんど被害がなく、むしろしっかり雨をもらったことでさらに発芽していました。写真は撮り忘れてしまったのですが、かなり発芽していました。これからしっかり間引きをしていきます。

 かなり乾燥状態が続き、何とか耐えていた野菜たち。被害はあったものの、恵みの雨をもらいこれからどんどん育ってくれることを期待して、もう少しがんばっていこうと思います。これから台風シーズンなので風対策も少し考えていこうと思います・

夏播き人参/発芽が高難易度

 夏真っ盛りの御代田町ですが、朝晩は少し寒いくらいです。雑草の伸びるスピードもだいぶ落ち、もう秋の足音が迫ってきています。

 この時期になると、収穫以外の畑仕事は秋冬野菜の準備になります。今回は普段の食事でも相乗頻度の高い人参の種まきをしました。発芽が特に難しいといわれる人参ですが、ある一手間を加えることで、発芽率を少しでも高めようとしてみました。

 そもそもなぜ人参が発芽しにくいかというと、理由はいくつかあります。

 まず人参の種が水分を吸収しづらいという点。そして、雨が少ない真夏に播種するため土が乾きやすい点。さらに追い討ちをかけるのが、人参は発芽に光を必要とする好光性種子だということ。これはかぶせる土を薄くしないといけないが、そうすると土が乾きやすくなるので発芽に必要な水分を維持しづらくなるのです。

 とまぁ、ほっといてもちょっと土が湿っていれば発芽するズッキーニと違って、人参はとても手間がかかるのです。しかも、しかも、発芽までの日数も長く7~10日ほどかかるので、それまで土が乾かないようにするのが難しいのです。

 ですが、難しいことばかりではありません。人参は発芽に成功すれば半分以上、栽培に成功したようなものだといわれることがあります。発芽さえすれば、雑草に負けないように草取りだけしてあげれば、比較的楽に収穫までたどり着けます。

 今回はそんな人参の発芽を手助けする資材として籾殻を使ってみました。コイン精米所が近くにあればいくらでもただで手に入る、けどさまざまな使い道がある有用資材です。

 まずは普通に人参の種をまきます。選んだ人参はこちら、「黒田五寸」です。比較的初心者でも作りやすいと紹介されていたのでこれを選んでみました。しっかりと叩いて畝を鎮圧し、棒を使って均一の深さでまき溝をつけます。こうすることで、かぶせる土の厚みを一定にでき、発芽がそろいやすくなります。

 そして、ここで籾殻の登場。土を薄くかけた上から、ぱらぱらを薄く、でもしっかりと地面を覆うように籾殻をまきます。こうすることで、土の水分を蒸発させにくくさせ、雨や水やりで表面の土が流れないようにカバーする効果が期待できます。

 そして、水やりをすること1週間。人参が発芽してきました。今は1/3ほどが出てきて、この後数日でもう少しそろいそうです。小さな芽がとてもかわいい。なかなか発芽の兆しが見えず、心配でしたが安心しました。

 ここまでが今日の夕方までの様子。その後、天気予報どおり、雨が降ってきました。実に20日ぶりの雨です。あれよあれよと、土砂降りになってしまいました。車のワイパーも最高速度で動かさないと前がみえないくらいでした。

 確かに雨が降ってほしかったけど、ちょっと強すぎる! からからに渇いた畑で何とか生きている野菜たちには恵みの雨ですが、発芽し始めた人参には厳しい洗礼です。この雨で土が流れてしまっていないことを祈ります。

 明日の畑の様子が心配ですが、久しぶりに涼しい夜を過ごせそうです。

オクラ初収穫! 1株8本の密植栽培

 オクラって何であんなに美味しいのでしょうか。サッと茹でて、マヨネーズをつけて食べたら最高。BBQで少し焦がし気味に焼いても美味しい。あのねばねばが体に良いらしく、夏を代表する野菜のひとつです。

 ただスーパーで買うと、ちょっと割高感があって、たくさんは食べられない。そこで自分たちで作れば食べ放題じゃない! ということでオクラも栽培していました。

 品種はタキイのエメラルド。沖縄在来の島オクラのような丸オクラで、柔らかく、15cmほどの大物になっても美味しくいただけます。

1株8粒播き!? 超過密栽培。

 このオクラ。農薬などを使わなくても、比較的栽培が簡単な野菜のようです。有機農法でもっとも作りやすい野菜として紹介されているのも見たことがあります。

 移植を嫌うかつ高温を好むということで、地温を確保できる6月に入ってから直播しました。オクラの栽培について書かれた本に、1株に8粒まき、間引かずに全部育てる、とあったのでやってみることにしました。

 間引かなくてもしっかり全部育つようです。当然本数が増えるので、収量も作業効率も上がります。ただし、種代が8倍になるので注意が必要ですね。

200615 発芽した

 発芽したオクラの写真です。小さな毛がびっしり生えていますね。思ったよりもミッチリ生えてきて、大丈夫かと心配になりました。

アブラムシの害。予想外の長梅雨。地温が上がらない!

 それから順調に成長していたオクラ。

200625 オクラの様子-2

 押し合いへし合い、上へ上へと競うように成長していきます。しかし、高さが15cmくらいになったところで、アブラムシが目立つようになりました。最初は古い葉っぱばかりだったのですが、除々にあたしい葉にも見られるようになります。

 時期を同じくして、梅雨に入りました。連日大雨続きで最高気温20度前後の日が続きます。オクラはアフリカ原産の野菜。暑さが大好きなので、成長が少し鈍っていました。

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 これは7月12日のオクラの様子です。この株は成長の良いもので、いくつかは葉が枯れ始め、雨の影響で根が傷んだのか背丈がばらついてきました。

梅雨明け! オクラの本領発揮!

 そんなこんなで無事梅雨明けを迎えました。この時点でまだオクラは花を咲かせていませんでした。しかし、気温が上がり30℃を超えだしたとたん、花が咲き始めました。植物の環境を認知する能力はすばらしいですね。

200814 きれいな花

 オクラの花は大ぶりでとても見た目も良いんです。しかも鞘になる前に花のまま酢漬けにしても美味しくいただけるそう。今度やってみようと思います。

 花が咲くとそこから収穫まではあっという間です。あれよあれよと大きくなり、3日ほどで収穫サイズとなります。

 途中病気にやられて成長が止まった樹もあり、成長が追いついていないものを間引いて、結局1株4本ほどに落ち着きました。そこまで病気に強い品種ではなかったのですが、それでも大部分が残ってくれました。

きれいなオクラがいっぱい

 きれいに並んだオクラたち。これが一日で収穫できたオクラです。

2008 オクラの収穫

 やわらかくて、味もとても美味しいです。オクラ特有の甘みがあって、鮮度も良いので正直スーパーのオクラよりもはるかに美味しいです。

 少し曲がってまっすぐにならないのは、重力に引っ張られたり、葉っぱをよけようとしているからなのでしょうか。あ、ちなみにオクラは花が咲いたあとから空に向かって一直線に実を伸ばします。

 毎日新たな花が咲いています。これから暑さが落ち着く9月中ごろまで毎日のように採れると思います。それまではオクラライフを楽しみます。

在来種の信州地大根を播きました

 野菜にはそれぞれの地域で古くから栽培されてきた「在来種」と呼ばれる品種があります。よく野菜の品種にはF1(交配種)と固定種の二つがあるとされますが、在来種はどちらの場合もあります。とにかくその土地に根付いた野菜です。

 今回は信州の在来種であり、固定種でもある大根の「信州地大根」を播いてみました。なんともそのままのネーミングですが、インパクトはありますよね。

 古くからここ信州で栽培されてきた大根ですので、私たちの住む御代田町の風土にもあっているはずです。今から播くと、収穫は10月半ば。とっくに夏は過ぎ去り、朝晩は冷え込んでくる季節です。寒さにあたりながらじっくりと育ち、滋養深い味の大根になると思います。
信州地大根の収穫。種採りにも挑戦

 種まきはタイミングがとても大事です。一般的に種の発芽には次の三つがそろわないといけません(発芽の三条件)。

 ①水分 ②酸素 ③温度

 これがそろわないと発芽がそろわなかったり、そもそも発芽してこないといったことが起こります。野菜それぞれに発芽に必要な日数が大体決まっており、それを過ぎても発芽しない場合、たいていこの三条件のどれかを満たしていません。

 温度は播き時に気をつければ特に問題ありません(トマトなど育苗する必要のある野菜は播き時が寒い時期であることが多いです)。酸素はなかなかコントロールしづらく、目で見てもわかりません。基本的には均一に耕された土に普通に播けば大丈夫です。播いたところを強く踏みつけたり、猛烈な雨にたたかれると酸欠になってしまうこともあります。

 水分は一番大切です。生き物である以上水は必ず必要です。野菜によって、要求する水分量も異なります。大豆などの豆類は大きいため水分を多めに欲しますが、多湿にしすぎると発芽の前に腐ってしまいます。

 今は夏真っ盛り。常に強い日差しが降り注ぎ、土はすぐに乾いてしまいます。こうなると、ちょっと種まきには都合がよくありません。雨が降る前に種まきすればある程度水やりの手間が省けますが、雨は降らないときはほんとに降りません。

 そこで今回は土の水分確保のためにひとつ策を打ってみました。

 土を裸のままにしておくと、すぐに乾燥してしまいます。そこで土の上に干草を細かくして敷いてみました。こうすることで露出した土がなくなり、乾燥を防げるはずです。さらに雨が降って、種の上にかかっている土が流されてしまう心配も減ります。地面には刈ってそのままにしてある草がたくさんあるので、資材の確保、コストにも困りません。

 実際にやってみるとこのようになりました。

 種まき直後に水やりをして、それから雨や水やりをすることなくしっかり発芽しました。発芽率も90%以上とかなりよかったです。

 ひとつ欠点を挙げるとすれば、発芽した芽が覆っている干草の中で徒長気味になってしまうことがあることです。これは発芽しそうなタイミングであらかじめ被覆をはずしてしまえば問題ありません。

 無事発芽した信州地大根。ぐんぐん成長していて、今日はもう本葉が展開していました。おいしく育ってくれるとうれしいです!

 そして、この大根は固定種なので自家採種にも挑戦したいと思っています。自家採種と固定種についてはまた詳しくまとめた記事を書こうと思っています。→F1と固定種と自家採種への挑戦