雑草との付き合い方/畝の雑草マルチ

私たちの畑の雑草管理

今日は私たちの畑の雑草の管理についてご紹介したいと思います。

 まずはこちらの写真をご覧ください。畝間(ビニールマルチを張っていないところ)は雑草が伸び放題になっています。見る人によっては、「もっとちゃんと管理しろ」と怒られてしまいそうですね。

 これは草刈をしたくなくて、時間がなくてこうしているわけではありません。わざとこうなるように、放置してみました。

雑草は邪魔者?

 普通は雑草が生えてこないように、と一生懸命雑草取りをします。なぜかというと、理由は単純で、雑草は野菜ではないからなんじゃないでしょうか。畑で育てて収穫したいのは野菜であって、雑草ではない。言い換えれば、雑草は邪魔な存在なんです。

 確かに、作物よりも大きくなってしまった雑草は日光をさえぎり、肥料分も当然吸収しています。こう見ると、雑草は野菜の邪魔者かもしれません。だから、こちらも必死になって草取りをします。

 でも、わたしたちは雑草を邪魔者だとは考えていません。雑草も畑という環境には必要なものだと思います。草が生えることによって、土が裸にならず、また虫たち(害虫、益虫)の住処にもなります。根を張ることで土も耕されます。さらに、草が枯れて土に還ることで土が少しずつ豊かになります。

 いかにも自然農法的な考え方で、一部の方からは「そんなきれいごとで農業はできない」といわれてしまうかもしれません。

緑肥によるリビングマルチとの違い

 雑草じゃなくても、緑肥と呼ばれる植物を畝間に生やす、リビングマルチという技術もあります。これは大麦などのイネ科やクローバーなどのマメ科の植物を畝間に生やし、防草などの効果を狙うものです。雑草よりも管理しやすく(種類が一つで済むため)、同じような効果も期待できます。

 でも私たちは、雑草でこの状態を作ることに意味があると考えています。なぜかというと、少し難しい話になってしまいますが、がんばって簡単に書いてみます。

 植物(のみならずすべての生物)は微生物のおかげで生命を維持しているといっても、過言ではありません。畑を見ても、土から野菜が生えているという単純な話ではなく、土の中、もちろん野菜の体内でもたくさんの微生物の存在が重要な役割を担っています。そして、私たち人間も本当にたくさんの微生物とともに生きているのです。

 そして、植物の種類によって共生している微生物の種類もかなり変わります。緑肥作物の、たとえば麦を使って畝間のマルチとして使用しても、土にはその麦の共生微生物しか増えません。それって、やはり不自然なのではないでしょうか。

 テキトー(適当)に草を生やしておけば、ざっと10種類以上の多様な草が観察できます。すると、土の中では、それぞれに特有な微生物が増えて、結果として、とても多様性に富んだ土になっていく。そう考えて、こうしてみました。

 雑草も生えていないきれいな畑に、単一の作物が整然と並んでいるのに違和感を覚えませんか? 農業が自然とは正反対の行為であるということは理解していますが、それでも自然の環境は野菜にとっても理想に近いのではないかと思っています。

とはいっても、、、

 伸ばし放題にしていても、先に述べたように野菜の生長の邪魔をしてしまうので、ある程度のところでビーバーや手鎌を使って刈りそろえます。もちろん刈った草はそのまま敷いておきます。

 こうすれば、雑草が野菜の生長を邪魔することはないはずです。

 畝間の雑草をこのように管理するのは初めてなので、これから梅雨が明けて、雑草たちが本気を出してきたときに、ちゃんと管理していけるかはわかりません。このやり方で、どのくらいの面積の畑が管理できるのかも未知ですが、手探りながら挑戦していきます。

地球上で最も数が多い生き物、それは、、、

 今回の話では、微生物が少し出てきました。微生物の一種である、細菌は地球上で最も数が多い生き物です。とんでもなく桁違いに。そして、細菌の先祖とも言える古細菌やそのほかの微生物は、人間よりも、植物よりも、魚類よりもはるか昔から地球上に存在していました。

 微生物は農業以外でも、その存在を無視できない生物です。病気になったときに頼りになる薬や、みんなが大好きなお酒や、普段何気なく食べている食べ物。私たちを蝕むさまざまな疾患、アレルギー反応。生と死の循環。全部微生物が関わっています。普段見えないけど、とんでもなく大事な微生物について、もっと話したいことはたくさんのあるので、少しずつ触れていきたいです。

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